2023.12.05 NHKテクノロジーズ 音声中継車「T‐2」リニューアル公開

公開された音声中継車「T‐2」

 NHKテクノロジーズ(NT)は、IPやイマーシブオーディオなどに対応した音声中継車「T‐2」を公開した。

 T‐2は2007年から、のど自慢や紅白歌合戦などNHKの音楽番組や、コンテンツ制作向けの音声中継車として運用を開始した「旧T‐2」の後継機。多様な放送音声モードと生放送、マルチチャンネル収録に対応し、コンパクトで良質な音声制作を実現する。

 車体は旧T‐2そのままで、内装も含めて内部システムを新しく入れ替えた。音声卓に最大限のコントロールを軽量とコンパクトなサイズで実現する「SSLシステム T S500」を導入し、64chの物理フェーダー、メーターブリッジを採用した。

 今回、IP化したことも特長。安定したインターネット回線があれば、リモートプロダクションも可能になる。

 モニタースピーカーが5.1.4chに対応し、最新のイマーシブオーディオ制作を可能にする。

 従来のアナログやAES、MADIの音声信号入出力に加え、DANTEによる入出力にも対応。より柔軟に外部との音声信号の受け渡しが可能となる。

 ステージボックスから中継車まで光ケーブルで接続される。光ケーブルを2本用意しており、片方が故障しても自動的に切り替わる仕組み。電源設備も二重化になっており、途切れずに放送できる。映像モニタは好きな映像ソースを自由に配置できる。

 全体的なレイアウトの見直しで制作作業スペースも拡張し、制作環境の快適さも向上させている。

(7日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)