2023.12.08 「放送技術セミナー」を大阪で開催 IP化の取り組みなど紹介
大阪市内で開催された放送技術セミナー
近畿総合通信局と近畿受信環境クリーン協議会は8日、大阪市内で「放送技術セミナー」を開催した。デジタル時代における放送を取り巻く環境が大きく変化している現状の中、放送事業者によるIP化、クラウド化への取り組みや総務省から放送政策の現状について説明があった。
主催者を代表して近畿受信環境クリーン協議会の戸出英樹会長があいさつ。次いでNHK大阪放送局と朝日放送テレビ(ABC)からIP化の取り組みの事例発表があった。
NHK大阪放送局コンテンツセンター第1部の大和祐己氏が「IPを活用した連絡系システムの開発」をテーマに講演。中継現場で少ない機材で効率よく機能する連絡系機材の構築の仕方や、業務用スマートフォンの活用で専用機材の導入コストをいかに削減するかの工夫が求められていると語った。
ABCの技術局制作技術部の山下真由氏は「リモートプロダクションを活用した簡易配信中継について」の講演で、自らの高校野球など野球中継の経験から、少ない人員でのセッティングの効率化やリモートカメラの積極活用で中継の質を向上させることは可能、と述べた。
また装置のIP化についてもサブ装置のIP化が進んでいるが、NDI規格やSRT規格など比較的扱いやすいIPから慣れておくと、サブ装置が大型化してもIPの理解はしやすい、とアドバイス。
最後に総務省情報流通行政局放送技術課の山口修治課長が放送行政の現状を紹介、中継局の共同利用やマスター設備の委託など放送設備の外部利用が可能になる、など放送法改正の一部を解説した。
(後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)