2023.12.15 「大胆に産業政策を」 斎藤経産相が持続的な経済成長へ意欲

就任記者会見に臨む斎藤経済産業相(提供=経産省)

 斎藤健経済産業相は、持続的な経済成長の実現に向けて意欲を示している。14日に開いた就任後初の記者会見で、「国内投資も賃上げも良い兆しが出てきているので、この流れを確実なものにしていく。そのためには大胆な産業政策が必要だ」と力を込めた。産業競争力の向上や経済安全保障の強化という観点から重要性が増すAI(人工知能)や半導体の政策も重視しており、経済・産業分野の政策を主導する手腕に注目が集まりそうだ。

 斎藤氏は、西村康稔前経産相が推進したAIや半導体に関する政策にも言及。2023年度の補正予算で2兆円を積むなど巨額な支援を続けた西村氏の取り組みを評価した上で、「さらに発展させていくよう努めていく。私自身、経済産業省で長く仕事をしてきた関係上、この分野の重要性というものは誰にも負けないぐらい強く思っているので、しっかり取り組みたい」と述べた。

 斎藤氏は会見の冒頭で経産省の政策分野を概観し、「通商、産業、エネルギー、そして災害対応と大変に幅広くなっており、それぞれの分野において大きな課題に直面している」との考えを示した。

 その上で、開催まで450日余りとなった2025年国際博覧会(大阪・関西万博)に向けた準備や経産省が最重要課題と位置付ける福島の復興、脱炭素化を進めるグリーントランスフォーメーション(GX)の具体化に向けた取り組みにも触れ、「一刻の猶予、遅滞も許されない、言わば待ったなしの課題も山積している」との認識を示した。

 15日には、斎藤氏と自民党派閥の政治資金問題を受けて経産相を辞任した西村氏が省内の大臣室で事務引き継ぎを行った。