2020.03.24 コジマ×ビックカメラ用賀店 地域に根差した運営で小規模ながら売上げ上位維持

全国でも常に上位の売上げ規模を持つコジマ×ビックカメラ用賀店

レジ前に日用品を一部展開レジ前に日用品を一部展開

高めの什器で取り扱いアイテムを増やす工夫も高めの什器で取り扱いアイテムを増やす工夫も

店舗入り口のちょっとしたスペースにリフォーム商材を展示店舗入り口のちょっとしたスペースにリフォーム商材を展示

地下1階から1階へと上がる階段の空スペースにもフィットネス機器を展示地下1階から1階へと上がる階段の空スペースにもフィットネス機器を展示

御代田 店長御代田 店長

 コジマ×ビックカメラ用賀店(東京都世田谷区)は、1999年12月のオープンから20年以上が経過した現在も、地域に根差した店舗運営で、小規模店ながら全国のコジマ内でも売上げ上位を常に維持している。

 約1500平方メートルの売り場は、広さが限られていることから「家電一本でお客さまに提案している」(御代田了亮店長)。

 他のコジマ店舗でもリフォームコーナーを設けるなど非家電の提案を強化する中、家電を軸にした提案ながら売上げは常にトップクラスだ。

 御代田店長は「富裕層のお客さまも多いが、昔から住んでいらっしゃる高齢のお客さまにも多く利用していただいている」と話す。

 周辺はまるで「下町のような雰囲気」(同)という。こうした雰囲気も〝浮気〟をしない客層の獲得につながっているようだ。

 多層階店舗だが、売り場は1階のみで、地下1階と2階、3階は駐車場という構成。駐車台数は134台確保しているが、周辺は住宅地で細い道が多いこともあり、「徒歩や自転車での来店が多い」(御代田店長)。

 商圏は3-4キロメートル程度と比較的狭く、中心商圏は500メートルから1キロメートルの範囲だ。

 こうしたことも関係し、特に管球類やインクの売上げは「他店より図抜けて大きい」(御代田店長)とする。レジ前では日用品を一部販売し、気軽に立ち寄れる店舗として地域密着に取り組んでいる。

 家電を軸にした売り場では、来店客の様々なニーズにできるだけ応えるために、同店の倍の広さを持つ3000平方メートルクラスの店舗とよりも多い品数をそろえる。

 スマートフォンアクセサリは、都心部のビックカメラ店舗のように天井近くまで展示。消耗品や家電を陳列する什器も他店より高くし、より多くのアイテムを展示できるように工夫している。

 店舗入り口の空きスペースでは新生活セットの提案に加え、住設機器も一部展示。

 「家電一本」としながらも、周辺地域ではリフォーム需要があるため、「常に意識はして声をかけるようにしている」(御代田店長)。販売構成は決して高くはないが、200万円程度の大型案件を成約したこともあるという。

 地下1階の駐車場からの入店口にもフィットネス機器を展示するなど、ちょっとした空きスペースに可能な限りの商品を展示している。限られたスペースを最大限生かそうとする工夫が随所に見られる店舗だ。

 コジマ社員が直接お客宅を訪問し、商品の配送や設置、電球交換などのサービスを行う「コジマくらし応援便」も、高齢者が客層の中心であることから「連日フル稼働」(御代田店長)状態だ。

 周辺3店を担当する2人の専任担当者が2台のラッピングカーを使って忙しく対応する。同店だけで1日当たり8件程度対応しているという。

 店舗は60人の人員体制で運営しており、この規模は通常、3000平方メートルから4000平方メートルの売り場面積を持つ店舗に相当する。

 東急田園都市線・用賀駅から徒歩5分程度に立地しており、近隣の競合店としては、二子玉川方面に二子玉川蔦屋家電(世田谷区)、自由が丘方面にヤマダ電機LABI LIFE SELECT自由が丘(目黒区)が出店している。

 ただ、一定の距離がある上、商圏が狭いこともあって「世田谷区でのシェアは高い」(御代田店長)と強調。競合店の影響はさほど実感していないようだ。