2024.01.09 【製造技術総合特集】製造装置 主要各社の24年戦略 カナデン
本橋 社長
事業部門横断の営業体制確立
丸ごと提案で総合力を発揮へ
カナデンはFAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4事業を柱に事業を拡大。海外では香港、シンガポール、上海、タイ、ベトナムに現地法人を設け、日系企業向けを中心としたビジネスを展開している。
2024年3月期上期(4~9月)の業績は最終益が14億7600万円、前年同期比37.2%増の大幅増益。
本橋伸幸社長は「コロナの規制の緩和、半導体や部材・部品不足の解消により、営業活動がコロナ禍前に戻ってきた。コロナで抑えられていた生産自動化、工場のDX化、老朽設備更新などの投資が回復しつつある。24年も自動化などFAのトレンドは変わらず、23年を上回る業績を目指している」と話す。
同社は各事業部門で独創的なソリューション事業を展開して企業価値を高める「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」を志向する。
全社の技術ハブに位置付ける「ソリューション技術本部」内に置いていた「ソリューション営業部」を23年度から独立組織に改編、事業部門横断の新規案件獲得やクロスセルを推進する体制とした。
「当社は創立116年の歴史の中で、大手を中心とする数々のお客さまとの取引関係を培ってきた。FAシステムのみならず、空調なども含めた工場設備丸ごとソリューションを提案するといった当社の総合力により、多様化するニーズに応えたい」(本橋社長)。
FA事業ではVMS(ビデオマネジメントシステム)を活用し、工場の設備機器やセンサー情報を集約する「FAtis(フェイティス)」などのシステム商材を拡充。三菱電機製を中心に3D金属プリンター事業を本格的に立ち上げ、新たに受託造形サービスも開始。
タイでは「カナデンタイ」「カナデンソリューションズタイ」および現地SIerの連携によりFAエンジニアリング機能を強化し、工場の自動化需要獲得に注力している。
またASEANでの横断的なFA事業拡大を目的に「アセアン グローバルリンク室」を23年7月新設。「ONE ASEAN構想」を加速する。昨年11月には本社の入る晴海トリトンスクエアでプライベート展を開催。多く顧客が来場した。