OTセキュリティー加速
診断からコンサルまで事業化

　コロナからの回復基調が継続した。前年度は、半導体など部材不足で、サーバーやネットワークといった通信機器のお客さまへの納入で苦労したが、問題も解消して需要に応えられるようになった。引き続きDX関連が拡大している。また、生成AIの登場は、あらゆる領域に影響を与えてくる。ルール整備しながら特性を理解し、前向きに取り組む必要がある。

　当社とITグループ各社の業績も増収基調で堅調に推移している。DX需要が引き続き堅調で、SAP納入事業の引き合いが増加した。また、セキュリティー対策の需要も伸びている。

　従来のITセキュリティーに加え、工場の生産ラインに関わるOTセキュリティーに大きく踏み込んだ。FA部門と連携し、各工場のアセスメントなどを開始している。インダストリー・モビリティビジネスエリアと一体となって、事業化に向けたプロジェクトをスタートさせた。OTセキュリティーは、診断とコンサルまでを含め、事業化に向けた取り組みを加速させる。

　データドリブン経営に向け、お客さまの要望も、従来のITシステムの構築だけでなく、広く高度になってきており、コンサル的なアプローチが求められる。当社グループは、世界トップクラスのデータアナリストとデータサイエンティストを抱えている。事業部の知見と対になって強化し、データドリブン経営に応えていく。

　当社は「循環型デジタル・エンジニアリング企業」を掲げ、サステナビリティー経営を打ち出している。事業成長と社会課題の解決の両軸で取り組む。カーボンニュートラル実現に向け、CO₂の排出量や業態の見える化などに注力する。

　生成AIについては、グループ会社も含め、社内業務での活用を開始している。今後は、社内の独自データとの組み合わせなどハイブリッドな取り組みを進めるなど積極攻勢をかける。IT・DX人材の育成やDXブランド力の向上などにも力を入れる。

　三菱電機インフォメーションシステムズは、引き続きSAP導入事業に注力していく。また、クラウドセントリックを設立、トップレベルのクラウド技術集団として、クラウド事業の拡大を目指す。三菱電機インフォメーションネットワークは、セキュリティー事業の一段の強化とともに、OTセキュリティーなど事業領域を図る。三菱電機ITソリューションズは、自社パッケージのSaaS化など引き続きクラウド事業を強化していく。