2024.02.06 【コネクター特集】ヒロセ電機 基礎的な技術力を向上へ、モノづくり力強化へ投資も

 ヒロセ電機は「品質第一」の徹底とともに、市場ニーズに適合した新製品、新技術開発への基礎的な技術力向上を推進する。モノづくり力強化への投資にも力を注ぐ。分野別では①産機②自動車③コンシューマーの3本柱での力強い成長を目指す。

 同社の「MT」シリーズは、小型モーター向けのレバーロック式インターフェースコネクター。レバーを倒すだけでロックが完了するため、配線作業の効率化が可能。また、ねじを使用しないため緩む心配がなく、かん合状態でIP67の防水性能を実現。さらに電源・信号複合による接続部の省スペース化に貢献する。

 自動車向けでは、フローティング基板対基板コネクターで世界最小クラスの幅寸法3.8ミリメートルの「BM54」シリーズを開発した。プラスマイナス0.4ミリメートルの広いフローティング量を確保。125度耐熱と2点接点の高接触信頼性で車載スペックにも対応する。

 モバイル機器向けでは、フルシールド構造で、高速伝送に対応する、電源・信号複合のRF対応基板対FPCコネクター「BK35」シリーズをリリースした。

 同シリーズ一つで電源やEMI、高周波RFなどに対応が可能でモバイル機器の進化に貢献する。スマートフォンやウエアラブル機器などの民生機器のほか、産業機器にも対応する。

 IPX7/IPX8防水対応のブラインドメイトコネクター「HR34P」シリーズの一般販売も開始した。

 同社は、モノづくり力強化を目的に、生産設備開発拠点の「東北アドバンスト・テクノロジーセンター」(盛岡市)を建設中で、今年3月の竣工(しゅんこう)を予定する。郡山新工場(福島県郡山市)も今年6月に竣工予定。海外では韓国ヒロセコリアでもR&D棟を増設し、今年秋口の稼働を予定する。