2024.02.06 【コネクター特集】ホシデン FAKRAケーブルコネクター、大径の低ロスに対応

 ホシデンは、車載ネットワークの高速化や自動車の高機能化に応えるため大径の低ロスに対応したFAKRAケーブルコネクターを開発した。

 内部構造を最適化し、1.5Dケーブルだけでなく、より低ロスで長距離伝送可能な2Dケーブルにも対応。従来品と比べ大幅に高周波特性を向上させた。次世代車載用SER/DES(Serializer/Deserializer)に求められる厳しい伝送特性要求を満たし、DC~10ギガヘルツ広帯域周波数を確保した。

 クアッドタイプの車載用超小型同軸コネクターは、従来のシングルタイプのレセプタクルを4個並列実装する場合に比べ基板占有面積を約60%縮小し、機器の小型化に貢献。一回の接続でかん合でき作業工数を低減した。

 また、高速信号コネクターに利用できるエコ材料の検討を進め、トウゴマから採取するヒマシ油を原材料にした植物由来の「半芳香族ナイロン樹脂」の採用に取り組んでいる。耐熱性が高く、吸水しにくいことから一般的なコネクター用樹脂材料特性は備えているものの、高速信号コネクターへの使用に際しては誘電率と誘電正接に改善の余地があった。

 採用を進めたエコ材料は、誘電率と誘電正接を従来品より低く抑えることで、コネクターの伝搬ロスの低減とインピーダンスコントロール性を実現した上で、30%以上の高いバイオマス度を確保できた。エコ材料を使用した高速信号コネクターの試作も進め、従来品と遜色ない伝送特性を実現した。今後、エコ材料の積極採用を検討するとともに、現在使用のホシデン製品のエコ化要望や将来ニーズに応え、性能・品質・コストに「エコ度」の選択肢を加えSDGs社会に貢献していく。