2024.02.19 非常事態は突然に 車でひいても使えるポータブル電源の頼もしさ

写真の車でひいてしまったが、タブレットに問題なく給電してくれているポータブル電源

 ごりごり、ごりごり―。買い物に行こうと車を動かした時、車体の底から不気味な音が響き渡った。その瞬間、記者はハッと思い出す。太陽光パネルを車に立てかけ、ポータブル電源を充電していたことを。

 記者は、日常使いの可能性を探るために、ポータブル電源大手のエコフローから実機をお借りしていた。容量256Whの小型タイプと、それを充電できる110W出力の太陽光パネルのセットだ。

 週末の晴れた日に太陽光パネルでポータブル電源を充電し、タブレットへの給電などに平日は利用する。ロードバイクを趣味とする記者は、その屋内トレーニング時に、省エネ性に優れたDC扇風機もつなげて運用。太陽光パネルからの充電には多少の手間はかかるものの、災害対策が叫ばれ、電気代の高騰が続く昨今、非常時の対応と節電を両立する運用方法として、サイクルをうまく回せるようになってきた。そんなある日、予期せぬ事態が記者を襲った。

 快晴の下、いつものように太陽光パネルでポータブル電源を充電していた。充電には一定時間かかるため、そのまま放置して自転車で記者は外出。夕暮れ時に戻ると、車に立てかけて充電していた太陽光パネルが寂しげに影を伸ばしていた。

 「すぐに片づけよう」。そう思った記者だが、一旦荷物を置きに自宅に入ると、待ち構えていた妻にさまざまな家庭の雑事を押し付けられ、それらを片付けているうちにポータブル電源のことをすっかり失念。完全に日が暮れて真っ暗な中、買い物にも行かなければならなくなり、車をバックで出そうとした、まさにその時。車体の底から何かを引きずる不気味な音が聞こえたわけだ。

 慌てて車を止めると車体の下には引きずられたポータブル電源が。車に立てかけていた太陽光パネルも見事にひいてしまい、車輪の跡が発電面にくっきりと付いていた。

本体には車に引きずられた無残な跡が

 「やってしまった」。すっかり青ざめてしまった記者だが、まずは状態を確認。本体に傷はついてしまったものの、バッテリー残量などはきっちりと表示され、給電もできる。翌日には、車輪で踏んづけてしまった太陽光パネルを接続。発電していることを確認した上で、8割程度の充電状況だったのを満充電にまで引き上げた。

 災害などの非常時には大きな衝撃に見舞われることもあるだろう。車にひかれるという衝撃的な事態にも耐え得るポータブル電源と太陽光パネル。その頑丈さは、非常事態に遭遇した際、頼もしさを感じずにはいられないだろうと思った。