2024.03.22 【九州・山口産業特集】QUEST 事業領域や地域でもエリア拡大へ

馬場 理事長

 NPO法人のQUEST(福岡市早良区)は上期、新人教育が中心で、最近連携を強めている唐津ビジネス専門学校ではオフィス系など一般向けの講座も実施。今までの組み込み系など産業用途系から領域が広がっている。

 新人教育は、昨年は春だけだったが2024年度は春と秋に設定し、昨年より倍増している。上半期偏重になりがちなのを上下バランスよく案件を獲得していく。

 九州地域だけでなく一部関東や関西でも活動中。今年は企業から基本情報処理に準拠した形を求められることが多いという。自動車業界はEV(電気自動車)の拡大で、部品供給メーカーとも対話ができるよう、エンジニアを大幅に増やしたいというニーズがあり、新人に限らない教育ビジネスが進んでいる。

 組み込みやIoTといったベーシックな技術を学ぶ機会が減ってきた一方、組み込みに関したエンジニアは一定数必要というのが認知されてきて、元々の名称が「九州組込みソフトウェアコンソーシアム」と組み込み分野を軸とするQUESTは、育成に力を注ぐ。

 連携している会員の協栄エレクトニクスとは、セキュリティーや検査試験、サーベイをビジネスとして進めている。サーベイではWi-Fiのネットワーク設計や技術的なコンサルに協力し、大型の物流センターで実証から既にビジネスとして稼働、広がりを見せている。

 Wi-FiをプラットフォームにしたIoTシステムで、センサーをWi-FIにつなげるものは少ない。今後も協栄エレクトロニクスと協業し、うまく拡大できればとしている。

 協栄エレクトロニクスを通じて販売しているラズベリーパイを使ったAI(人工知能)の教材キットは、異常検知に加え、画像認識まで拡大している。これを教材に、電気工事関連やIT系へセミナーや講座を実施。販売エリアの拡大を狙っている。今後は展示会への出展や、SNSなど情報発信も図っていく。

 24年度は事業領域としても地域としてもエリアを拡大する方向。馬場伸一理事長は「枝葉が広がってるところも、向こうから手を伸ばしていただいているところも大事にやっていきたい」と話す。