2024.03.27 【関西エレクトロニクス産業特集】SDGs 大阪・関西万博を契機に加速 ビジネスチャンスに
気候変動対策などSDGsの目標達成に力を入れている
関西のエレクトロニクスメーカー各社では、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを強化し、社会貢献に努めるとともに、企業価値の向上や将来のビジネスチャンスにつなげていく動きを加速している。
SDGsは、2015年9月の国連サミットで、地球環境や経済活動、人々の暮らしなどを持続可能なものとするため、全ての加盟国が30年までに取り組む達成目標として、17のゴール・169のターゲットが選定されている。
近年、国内の企業においてはSDGsへの関心は高まっており、関西でも環境配慮の製品や技術で社会課題の解決を図るビジネスに取り組む企業は多い。
関西では「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにグローバルな課題への挑戦が打ち出される「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」開催の準備が着々と進み、これを契機に、関西の各企業ではSDGsの推進をさらに加速し、ビジネスチャンスに生かそうとの機運は高まっている。
関西地域では、17年12月に国際協力機構関西国際センター(JICA関西)、経済産業省近畿経済産業局、関西広域連合本部事務局を共同事務局とする「関西SDGsプラットフォーム」が発足している。
ここでは、SDGsへの取り組みの重要性を広く訴え、関西における持続的社会の構築に向けた活動や高い社会的価値を生み出す経済活動を加速すべく、SDGsに関連するイベントや情報発信など各種取り組みに力を入れている。
関西SDGsプラットフォーム会員企業などへの調査では、SDGsの内容を深く理解している企業は6割だが、この中でSDGsを強く意識している企業が7割という。SDGsに取り組む目的は社会貢献・CSRの一環、企業価値の向上と合わせ、約5割が将来のビジネスチャンスと捉えており、大企業の3分の2は新規事業開発に資するとみているという。
こうした中、環境に配慮した製品・システムの開発やリサイクル・リデュースの推進、働き方改革の取り組み促進など、多岐にわたる持続的な開発目標に力を入れている。
もともと関西地区には、太陽光発電や蓄電池システム、燃料電池など、先進的な環境機器メーカーも集約しており、今後も先進的なSDGsへの取り組みでけん引役が期待されている。