2024.04.17 エイブリックと東芝デジタルなど、巡回検知型漏水ソリューション開発 初期費用は従来型の半額以下

センサーは配管などに設置するセンサーは配管などに設置する

エイブリックのバッテリーレス漏水センサーエイブリックのバッテリーレス漏水センサー

 エイブリック、東芝デジタルソリューションズ、ifLink(イフリンク)オープンコミュニティ(東京都港区)の3者は、建物の漏水を検知し巡回者のスマートフォンなどに通知するシステムの提供を16日から開始した。電源や配線が不要。水を吸って発電するセンサーと、スマホで動くモノのインターネット(IoT)アプリケーションを組み合わせる。

 「巡回検知型漏水検知ソリューション」と名付けられた。通知の受信にスマホを使うことで、据え置き型の受信機が必要な従来システムよりも導入を容易にした。エイブリックのビジネス・ディベロップメントユニットゼネラルマネージャー、和気宏樹氏は「巡回型は据え置き型に比べ初期費用を半額以下にできる」と語る。

 時間をかけて蓄えた微小な電力を昇圧、放電するエイブリックの「CLEAN-Boost(クリーンブースト)」技術を採用。配管や壁、床に取り付けたリボン型センサーが漏れた水を吸い、内部の金属電極と反応させ発電。センサーに接続した無線タグがBluetooth Low Energy(BLE)方式で信号を発する。

 当面は最長3カ月のトライアルサービスとして展開。消耗品となるセンサーは有償だが、無線タグは無償で貸し出すほか、イフリンクのライセンス料も無償とする。顧客はアンドロイドOSのスマホまたはタブレットを用意する。エイブリックの公式サイトで申し込みを受け付ける。

 東芝デジタルソリューションズのイフリンク推進室スペシャリスト村上瑛氏は「バッテリー不要なクリーンブーストのセンサーと、その信号をスマホで拾えるイフリンク、それぞれの特徴を生かしあった」と打ち出す。

 イフリンクの活用を担うイフリンクオープンコミュニティ理事の千葉恭平氏は「今回の発表内容がモデルになり、次の商品が生まれるなど活性化を期待する」と述べた。 (18日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)