2024.04.18 ノキアとSURF、800ギガbpsの光伝送実験に成功 既存光ファイバー網を利用

800ギガbps利用が予定されているCERNの内部

ノキアの「PSE-6s」ノキアの「PSE-6s」

 フィンランドのノキアは、オランダのICT分野の協力機関SURFと協力して、SURFの既存の光ファイバー網を使って800ギガbpsの光伝送実験に成功した。

 800ギガbpsの超高速接続は平均的な家庭のネット接続の約1000倍。今回の光ファイバーの実験はノキアのフォトニックサービスエンジン「PSE-6s」技術を基盤に行われた。

 800ギガbpsの伝送速度が実現すれば、CERNに設置の粒子加速器と、オランダ一級のICT関連研究施設SURFやNikhef(ニケフ、オランダ国立亜原子物理学研究所)を結ぶ光通信網を利用した大容量データ交換が加速化される、とノキアは説明する。

 CERNへの既存の最大接続速度は400ギガbpsだが、CERNに設置予定のHL-LHC(高輝度大型ハドロン衝突型加速器)からのデータ伝送には800ギガbpsが必要な速度という。HL-LHCは現在の大規模改修後の2029年に運用開始の予定。

 今回の試験はアムステルダムにあるNikhefとSURFからベルギーを経由して、ジュネーブのCERNとの間1648キロメートルを既存のファイバーを使って実施された。

 ノキアとSURFは今回、従来の光ファイバーで800ギガbpsの伝送速度を達成したことで、既存のインフラ利用でもまだ大きな可能性があるとみている。 (19日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)