2024.04.25 富士通、3月期連結は2期連続で純益過去最高

 富士通の2024年3月期連結決算は、サービスソリューションは堅調に推移したものの、ハード、デバイスが伸び悩み、増収・営業減益となった。一方、純利益は前期比18.3%増の2544億円と2期連続で過去最高益を更新した。

 主力のサービスソリューションは、一昨年9月にPFUをリコーに譲渡した影響などを除く調整後営業利益は同45.5%と大幅な増益。国内市場でデジタルトランスフォーメーション(DX)やモダナイゼーション(既存情報システムの最新化)の商談が伸びた。成長投資を拡大する事業ブランド「Fujitsu Uvance」は同84%増の3679億円だった。

 ユビキタスソリューションは為替影響含めた部材高騰に対するコストダウンや価格転嫁を進め、同178.4%の増益。

 一方、ハードウェアソリューションは、昨年度大型案件を獲得したモバイルシステムとフォトニクス(光)の反動減でネットワーク製品が落ち込み同25.7%の減益。デバイスソリューションも半導体パッケージの低迷が続き、同76.3%の大幅減益だった。

 磯部武司副社長CFO(最高財務責任者)は「半導体パッケージは下げ止まり感が出てきており、2024年度からは需要回復を見込んでいる」と話した。

 今期の連結業績は売上高が前期比0.1%増、営業利益が同16.3%増を見込む。