2024.04.26 NEC、3月期連結はITサービス伸長で増収増益
NECの2024年3月期連結決算は、国内の好調なIT投資に後押しされ増収増益となった。買収に伴う費用などを除いた調整後営業利益は前期比8.8%増の2236億円、ここから一過性損益などを除いた実質のNon-GAAP営業利益は同15.5%増の2276億円だった。
主力のITサービスは国内企業や官公庁の旺盛な需要を受け同9.1%増収。調整後営業利益もSI(システム構築)の収益性向上などが寄与し同401億円増の大幅増益となった。
受注も好調で、金融や流通・サービス向けの受注が好調だった一方、製造業は収益案件に受注を選別していることから微減となった。海外向けでは英SWS、デンマークKMDで大型案件を獲得するなど20%増加した。
社会インフラは全体で横ばい。海外向けの高速通信規格5Gは損益は改善したものの一過性の費用計上もありテレコムサービスは減収減益。一方で、宇宙・防衛領域は政府予算増に伴う大型案件の獲得などで年間5000億円超を受注し同12.6%の大幅増収となった。
記者会見で、森田隆之社長兼CEOは低迷が続いたグローバル5Gについて「22年度の構造改革の効果を刈り取ることで大幅に損益が改善した。今後は収益性の高いソフトウエアサービスに投資をシフトし、黒字化を図りたい」と話した。
今期連結業績はITサービスや宇宙・防衛事業が堅調に推移するとみて営業増益を見込む。