2024.04.26 村田製作所、3月期連結は減収減益 今期はコンデンサーの伸長見込む
村田製作所の2024年3月期連結決算は、減収減益だった。売上高は昨年10月の下方修正前の期初予想通りになった。利益は10月に全て上方修正したが、いずれも届かなかった。税引前利益、当期利益は期初予想を上回ったが、営業利益は下回った。
村田恒夫代表取締役会長は「高周波モジュールがスマートフォン向け、コンデンサーはモビリティーやスマホ向けが増加した。リチウムイオン二次電池はパワーツール向けで、コネクティビティーモジュールがスマホやパソコン向けで減少した。営業利益は円安効果、コストダウン、固定費減少などの増益要因はあったが、操業度低下や製品価格の値下がりに加え、第4四半期に円筒型リチウムイオン二次電池事業で減損損失495億円を計上し減益となった。パワーツール向け需要拡大を見据え増産投資を実行したものの、コロナ禍における急激な需要増の反動減による在庫調整の長期化、直近の販売低迷で収益性が大きく低下したことによるものだ」と説明した。能登半島地震の影響は軽微だった。
今期は「中期方針最終年度であり、創業80周年の節目の年だ。足元では厳しい事業環境が続くが、事業機会をつかみ、さらなる飛躍を遂げられるよう努める。リチウムイオン二次電池、コネクティビティーモジュールは減少するが、コンデンサーがモビリティーやコンピューター向けで大きく増加するとみている」(村田会長)と述べ、連結業績は増収増益を予想した。
設備投資はMLCCを中心に前期より295億円減の1900億円を予定。前期80~85%だったMLCC操業度(27日稼働)は85~90%を目指す。