2024.04.26 日東電工、3月期連結は減収減益 ハイエンドスマホ向け堅調
日東電工の2024年3月期連結決算は減収減益。10月に期初予想を下方修正したほぼ売上高、利益となった。
髙﨑秀雄社長は「ノートパソコン(PC)やタブレット端末向け製品市況が低迷したものの、ハイエンドスマートフォン向け製品の拡販や進化の著しい車載ディスプレー向け製品などの需要拡大に柔軟かつスピーディーに対応した」と話した。
インダストリアルテープは、ハイエンドスマホ向け組み立て用部品、自動車材料の需要が増加。半導体メモリーやセラミックコンデンサーの工程材料もQ4を底に緩やかに回復し増収増益。
オプトロニクスは、情報機能材料がノートPCやタブレット端末需要が減少。ハイエンドスマホ向け需要も堅調に推移。VR向け光学フィルムの量産も始めた。回路材料はハイエンドスマホ向け高精度基板搭載機種が増えたが、高容量HDDの在庫調整でCIS需要が減少した結果、減収減益。
ヒューマンライフは、ライフサイエンスがコロナワクチン向け核酸アジュバントの需要が減少。メンブレンは中国の需要が減少。パーソナルケア材料は、モンディ社の同事業が通年で寄与したが減収、営業損失となった。
今期は「伸ばすと判断した分野へ積極的に経営資源を投入していく。一方、低成長、低採算、環境負荷の高い分野は構造改革を行い、外部環境の影響を受けにくい強靭(きょうじん)な事業ポートフォリオを構築する」(髙﨑社長)と述べ、オプトロニクス、ライフサイエンスに注力する。連結業績予想は減収、利益は営業、税引前が増益、純利益は減益。1ドル=140円を想定。前期比270億円増の1100億円の設備投資を予定。