2024.05.08 オムロン、3月期連結は減収減益 社会システム事業は好調

 オムロンの2024年3月期連結決算は減収減益。ヘルスケア事業、社会システム事業は拡大する事業機会を捉え、増収増益を達成したものの、主力の制御機器事業や電子部品事業の減少をカバーできなかった。利益は売り上げ減や売上総利益率の低下、人件費など固定費の増加などで減少。一方、見通しで出していた売り上げ、利益より上振れした。

 制御機器事業は第2四半期以降低調。電子部品事業も苦戦。一方、ヘルスケア事業は欧州などで血圧計の需要が好調に推移し大幅な増収増益。社会システム事業は、再生可能エネルギーの自家消費ニーズの高まりを受けて大幅に伸びた。

 今期通期連結業績は増収・営業増益を見込む。制御機器事業、電子部品事業は下期に回復する見込み。ヘルスケア事業、社会システム事業は引き続き好調に推移。「社会システム事業が再生可能エネルギー市場で住宅や産業での投資が継続すると見る」(辻永順太社長)。

 利益面は売上総利益率の改善に加えて、固定費適正化などで、前期比で147億円の営業増益を見込む。固定費は人員数最適化による人件費減や厳選投資の継続で適正化を目指す。また、新たなERPシステムの投資も進める。

 辻永社長は「今期の業績は慎重に売り上げ計画を立てたがトップラインの引き上げにチャレンジする」と語った。