2024.05.11 炭酸水、より手軽に ガスシリンダー購入 手書き記入不要 ソーダストリームが新サービス
夏に向けて店頭も炭酸水メーカーでにぎわう(ビックカメラ)
500ミリリットル当たり単価は約20円、1本のガスシリンダーでペットボトル約120本分――。暑い夏に消費が増える炭酸水を、家庭で手軽に作れる炭酸水メーカーのソーダストリーム。そのガスシリンダーを新規または交換購入する際に必要だった手書きの台帳記入を、専用アプリで完結できる新サービスをソーダストリームが4月から開始した。台帳記入を省けるだけでなく、ユーザーが削減したペットボトル量も確認でき、楽しみながらエコ意識を高めることにもつながりそうだ。
炭酸水メーカーの日本での普及率は1桁台とも言われており、まだ一般的とは言い難い。2025年までに世界で最大760億本のペットボトル削減を掲げるソーダストリームは、リピーターとなるユーザー層の拡大を大きなテーマにしている。
ソーダストリームも普及促進を目指し、家電量販店やディスカウントストアなど約9000店に日本での取扱店を拡大している。ただ、炭酸水生成に必要なガスシリンダーは、空になったものをごみとして廃棄することは法律で禁止されている。そのため、新規または交換で購入する際には、管理のために店頭で台帳記入が求められている。ユーザーにとっては、これがある種の手間になっていた。
今回の新サービスは、店頭での記入作業を省き、より手軽に利用できることを目指したものだ。ガスシリンダーを購入可能な店舗もアプリから簡単に検索できるうえ、GPS(全地球測位システム)を使い、現在地周辺の取扱店も調べられる。ガスシリンダーのバーコードをスマートフォンのカメラで読み取り、店頭スタッフに内容を確認してもらう形で、スタッフ側作業の軽減にもつながる。
電波新聞社の取材で昨年、ソーダストリーム日本法人幹部は「炭酸ガスを充塡(じゅうてん)する工場を日本で立ち上げ、ガスシリンダーを購入しやすくしている。日本市場を重視しているからこそで、国内での販売も右肩上がりが続いている」ことを強調していた。
ボタンを押すだけで炭酸水を作れる電動タイプ「E-TERRA(イーテラ)」をはじめ、非電動タイプのレトロデザインなど豊富なラインアップもソーダストリームの強み。暑い夏が迫る中、ガスシリンダー購入の手間を減らしたソーダストリームの対応は、老舗炭酸水メーカーならではの差別化と言えそうだ。