2024.05.14 神奈川、神戸にデータセンター新棟 100%再エネ活用 生成AI対応を強化 NEC
約1500ラックに対応する神奈川データセンターのサーバールームの一室=14日
NECは14日、神奈川データセンター2期棟と神戸データセンター3期棟を新たに開設し、月内にサービスを開始すると発表した。生成AI(人工知能)の急速な普及などでデータセンターの需要が拡大していることを受けた対応だ。
神奈川県に位置する神奈川データセンター2期棟は10年ぶりの新棟で、電気容量(IT負荷)は約8MW、1500ラックを有する。神戸市の神戸データセンター3期棟は5年ぶりに増設され、電気容量約11MW、1700ラックを備える。事業費はそれぞれ200億円規模。いずれも基礎免震構造で耐災害性を高め、マイクロソフトやアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)など各種クラウドサービスにも接続できる。
多数のサーバーやネットワーク機器を集約して運用するデータセンターは大量の電力を消費するほか、設備を冷却する空調の電力抑制も課題となっている。
こうした状況を踏まえ、今回の2棟は、利用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うほか、電力削減に向け高温冷水や自然エネルギーによるクーリングなどを導入。国内トップクラスの省電力化を実現したという。
生成AIの普及でGPUサーバーなどコンピューターの高集積化が進む一方で求められる高排熱への対応では、ラックあたり20KW超の排熱に対応できる高負荷対応エリアを設置。天井高3メートルの一般エリアより0.5メートル高くし冷却装置を強化するとともに、柔軟なラックレイアウトも可能にした。今後の高集積化を見据え、水冷などの冷却方式の導入も検討する。
NECクラウド・マネージドサービス事業部門長の繁沢優香SVPは「生成AIの拡大に合わせてパブリッククラウドの活用は広がっているが、金融業界などオンプレミス(社内運用)の要望も依然多い。今後も市場ニーズに合わせハイブリッドクラウド戦略を進めていきたい」と話した。
(15日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)