2024.05.17 【世界情報社会・電気通信日のつどい特集】開式にあたって 日本ITU協会 山川鉃郎理事長

デジタル技術で課題解決

ITU関係会議の成功に寄与

 本日、「世界情報社会・電気通信日のつどい記念式典」に当たり、渡辺孝一総務副大臣、柘植芳文外務副大臣のご臨席を賜り、ご列席の皆さまとともに開催できますことをまずもって心よりお礼申し上げます。

 今年は元日に能登半島地震が発生しました。震災によって亡くなられた全ての方々のご冥福を心からお祈りするとともに、被害に見舞われた被災者の方々に、改めてお見舞いを申し上げます。

 他方、国際社会は緊迫の度を一層高めています。ウクライナ侵略や中東情勢はもとより、米国大統領選など世界の行方を左右する重要な国政選挙も予定されています。世界の安定と繁栄に向けて多くの英知が注がれることを期待したいと思います。

 本年のITU「世界情報社会・電気通信日」のテーマは、「Digital Innovation for Sustainable Development」です。

 世界の繁栄と安定のためには、デジタル技術を用いた持続可能な、安全の確保と社会課題の解決が必要です。

 例えば重要なベーシックニーズである医療分野における技術革新。デジタル技術を用いた精緻な画像解析やシミュレーションに期待が高まっています。

 本日の記念講演においては、この分野において世界をリードされている医師であり、起業家の杉本真樹氏に「外科医療のデジタル革新」というテーマでご講演いただきます。

 昨年のITUやAPTの主な会合に関しまして申し上げます。11月にタイ・バンコクでAPTの総会/管理委員会が開催され、日本の近藤勝則氏が、APT事務総長選挙で再選されました。心よりお祝い申し上げるとともに、より一層のご活躍をお祈りいたします。

 ITU関係では11~12月にUAE・ドバイにてWRC世界無線通信会議およびRA無線通信総会が開催されました。世界無線通信会議にはITU加盟国163カ国から約3900人が参加する中、わが国からも約130人が参加し、大きな成果が得られました。私ども日本ITU協会もタイおよびUAEで両会合を支援し、その成功に寄与できたと自負しています。

 今年は10月に、WTSA世界電気通信標準化総会がインドで開催されます。当協会としても、昨年同様、ITU関係会議の成功に積極的に貢献してまいりたいと存じます。

国際的活動に貢献

 そして本年も、この式典において情報通信・放送分野における国際的な活動に貢献された皆さまに対し、総務大臣賞および日本ITU協会賞をお贈りできることを喜ばしく思います。受賞される皆さまのご功績に心からの敬意と感謝を申し上げますとともに、本日が、世界とわが国の情報通信・放送分野の発展に意義深い日となることを祈念し、開会のあいさつとさせていただきます。