2024.06.09 エアコン掃除、年1回以下が5割 カビ気になるも「見て見ぬふり」 富士通ゼネラル調査

カビが気になる場所トップ5の掃除頻度。エアコンは、「カビが気になったことがある」と回答した人でも掃除頻度はかなり低い

家庭内でカビの気になる場所家庭内でカビの気になる場所

 エアコンを掃除するのは年1回以下が5割――。本格的な梅雨入りを前に富士通ゼネラルがカビに関する意識調査を実施したところ、こんな結果が浮き彫りになった。全国の20~60代の男女500人を対象にしたもので、カビの気になる場所は浴室が約8割、それに次ぐのがエアコンとの回答が占めたにもかかわらず、エアコンをこまめに掃除をしている人は少ない実態が明らかになった。

 最もカビが気になる季節は梅雨だ。ゼネラルの調査でも6割以上がそう回答している。7日現在、沖縄・奄美で梅雨入りが宣言されているが平年よりも遅く、昨年は5月29日頃までに、東海までが梅雨入りしていた。

 今年は全国的に梅雨入りが遅れているとの指摘もあるが、そんなジメジメした季節につきものなのがカビ。カビの気になる場所は浴室が79.8%と最も多く、次がエアコンの33.2%という結果に。洗面所やキッチン、トイレといった水回りを押さえて気になる場所の上位にエアコンが入っている半面、50.8%が掃除頻度は年1回以下と回答。カビが気になっても掃除をしない“見て見ぬふり家電”にエアコンがなってしまっているとゼネラルは指摘している。

 その背景には、エアコンの設置場所や構造が関係していそうだ。構造が複雑なために手を出しづらく、さらに手入れの仕方が分からない人が57.4%を占めている。同時に、「カビが生えているか見えない箇所がある」が45.8%、「手が届かない箇所がある」が45.2%となった。

 エアコンのカビ対策として簡単なのが、冷房や除湿運転後に内部を乾燥させることだ。ただ、それを知らない人が54.6%に達するという結果も浮き彫りになった。内部乾燥機能が付いているエアコンを使うのが手間いらずと言えるが、付いていない場合は1時間程度送風運転することをゼネラルは推奨している。

 カビ対策をめぐっては、エアコン側でも清潔機能として実装が進んでいる。ゼネラルの「ノクリア」Xシリーズなどには、熱交換器を加熱して除菌する機能を搭載する。最もカビが気になる場所として圧倒的だった浴室についても、給湯器メーカーのノーリツが、浴室天井からオゾン水を散布した後、換気、乾燥することで、ピンク汚れや黒カビの原因菌の発生を抑制する浴室暖房乾燥機「シャーン」を9月に発売すると6日に発表したばかり。

 全国的な梅雨入り前にシャーンを導入できるわけではないが、カビ対策は毎年ついて回るもの。家電や住宅設備で対処できる面があるのであれば、長い目で見れば導入を検討するのもありだろう。ただ、まずはこれからの季節に大活躍するエアコンで、カビ臭い冷風が出て不快な気分にならないよう対策を施すのを優先すべきだ。