2024.06.14 高専各校、食品分野で最新の成果を紹介 磁力で浮かぶ攪拌機、泡で殺菌する技術
ファインバブル発生装置
国立高等専門学校の各校は機械工学を食品分野に応用した研究を進める。磁力で浮かび完全非接触で液体を攪拌(かくはん)する装置や、直径100マイクロメートル未満の微細気泡(ファインバブル)で殺菌する技術などだ。
6月4~7日に開催された食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2024」では企業が食品工場の自動化(FA)につながるロボットや人工知能(AI)などを展示する一方、大学や高専も最新の成果を紹介した。
豊田工業、阿南工業、広島商船、鳥羽商船の各高専と大同大学によるマグネティックドライブ共同研究グループは、浮力と磁力を用いた完全非接触による液体攪拌のデモ機を展示した。
今回のデモ機は、高価で構造が複雑になりがちな電磁石に代えてネオジム磁石を取り付け動作させた。水より粘性の高い液体の攪拌もでき、展示ではシリコンオイルを難なくかき混ぜた。液体食品はもちろん「異物混入を抑えられる観点から薬品攪拌の用途も見込める」と説明を担当する豊田工業高専の学生は語った。
高知工業高専はファインバブルで殺菌などを行う技術を展示した。同校は高知県産のショウガの腐敗を防ぐ効果を実験した。
椿油を使った実験では、ファインバブルで乳化分散させてから5年経過しても見た目に変化がないことを確認したという。「ファインバブルによる乳化分散は産業に進出しはじめ、軌道に乗った。殺菌も普及を見込む」と説明を担当する同校の学生は話した。 (電波新聞/電波新聞デジタルで後日詳報します)