2024.07.01 1人でドローン3機操縦 KDDIとJAL、埼玉・秩父で実証成功 物流問題解決にも

ドローン3機を1人の操縦者が運航する(KDDI提供)

秩父にあるドローンを1人の操縦者が東京都内で遠隔操縦した秩父にあるドローンを1人の操縦者が東京都内で遠隔操縦した

 KDDI日本航空(JAL)は、1人の操縦者による遠隔操縦でドローン3機を同時運航し、防災用品・食品を配送する実証に成功した。ドライバーが不足する物流2024年問題や地域の過疎化、高齢化などの社会課題の解決につながる新たなビジネスモデルとして期待される。

 実証では、イレギュラー時も含めた手順やルールを構築した上で、東京都内にいる1人の操縦者が、埼玉県秩父市吉田地区で3機のドローンを操縦した。秩父市吉田総合支所から阿熊地区、道の駅「龍勢会館」から阿熊地区までのそれぞれ約2.5キロメートルの2ルートで、PRODRONE製の「PD6B-Type3」を使用。防災用品や食品を目的地まで搬送することに成功した。

 KDDIとJALは2022年2月から協業し、複数のドローンを統合的に運航管理する体制づくりや、企業・自治体向けドローン活用支援のビジネスモデルの検討に共同で取り組んできた。今回、KDDIとKDDIスマートドローンが共同開発する運航管理システムに、JALが航空事業で培った安全運航のノウハウを組み合わせて実施した。

 遠隔操縦では、ドローンの運航状況や気象状況に合わせ、運航管理システムを通してリアルタイムに監視しつつ、必要に応じて手動操作を加えるなど、高度な運航管理が求められる。さらに複数機の同時運航には、操縦者とシステムの役割分担を明確化した安全管理体制が鍵を握る。

 今回の実証は、ドローンの搭載カメラから歩行者を確認するなど一定の条件を満たせば、地上の補助者や立ち入り管理措置が不要となるレベル3.5飛行で実施した。

(2日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)