2024.07.01 関西大らの研究グループ、超小型衛星を共同開発 今秋、ISSから地球周回軌道に放出

それぞれの衛星を手に持つ青柳特命准教授(左)と山縣准教授(画面奥は上が宮田准教授、下が松本部長)(関西大学提供)

 関西大学、福井大学、名城大学、アークエッジ・スペースによる共同研究グループは、複数のエネルギー技術を搭載した10×10×10センチメートルの超小型衛星「DENDEN‐01」を共同開発、宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターへの引き渡しを完了した。今秋に国際宇宙ステーション(ISS)から地球の周回軌道に放出予定。

 今回の開発に従事したのは関西大学化学生命工学部の山縣雅紀准教授、福井大学産学官連携本部の青柳賢英特命准教授、名城大学理工学部の宮田喜久子准教授、アークエッジ・スペース電波基盤部の松本健部長らの研究グループ。

 超小型衛星は電力や質量、サイズの制限があり、熱容量も小さいため宇宙空間の急激な温度変化の影響を受けやすい。そこで研究グループは地球軌道上で熱の放出や吸収を容易にできる固形の「固‐固相転移型潜熱蓄熱材」(SSPCM)を活用した電源温度安定化装置や民生用リチウムイオン電池を採用することで高負荷時の高品質で安定的な電力供給の実証実験を行う。(5日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)