2024.07.20 「世界を驚かせたい」 スタートアップW杯 日本代表が決定 応募240社の頂点に
日本代表決定戦に駒を進めた11社
スタートアップ(新興企業)が技術の優位性や将来性を競う「スタートアップワールドカップ(W杯)」の東京予選が19日、東京都港区のホテルで開かれた。ブロックチェーン技術を活用したプラットフォームを展開する「Digital Entertainment Asset」が日本代表として、10月に米国で開催される世界決勝大会への切符を手にした。
スタートアップW杯は、シリコンバレーを拠点に世界規模で投資活動を行うベンチャーキャピタル「ペガサス・テック・ベンチャーズ」が主催する世界最大規模の国際コンテスト。6回目となる今回は過去最多の世界75の国・地域で予選会を開催している。日本では東京と関西(京都)、九州(熊本)の3地域から代表が選ばれる。
東京予選には約240 社が応募。人工知能(AI)や宇宙、メタバース、食品、金融などのさまざまな分野の11社が書類選考を通過し、19日の日本代表決定戦に駒を進めた。
優勝したDigital Entertainment Assetは、ブロックチェーン技術を活⽤し、ゲームや漫画などを楽しむだけで報酬が得られるプラットフォームを運営する。
山田耕三創業者兼共同CEOは「うまくやってやろうという工夫を世界の困り事解決に持っていけると思っている。良いチャンスをいただいたので、日本から生まれたソリューションで世界を驚かせたい」と世界大会での活躍を誓った。
優勝企業は、視聴者によるX(旧ツイッター)の投稿と審査員の投票で決定。事業化の経緯や競合と比較した優位性などが評価基準となる。
審査委員長を務めるアステリア社長の平野洋一郎氏は「非常に接戦を極めた。点数以外にも世界で戦えるかなどを含めぎりぎりまで協議した。世界大会でのチャンピオンシップに期待したい」と総括した。
来賓としてあいさつに立った河野太郎デジタル大臣は「日本のスタートアップに対する投資額はまだ1兆円規模。欧米に比べるとまだまだ足りない。今後5年間で10兆円まで増やしていく。スタートアップには世界市場を取りに行ってほしい」と呼び掛けた。
5月に行われた京都予選では、知的障害のある作家のアート作品をビジネス展開する「ヘラルボニー」(岩手県)が優勝。8月27日には初の九州予選が熊本県で開催される。
10月4日に米カリフォルニア州シリコンバレーで開催される決勝大会で優勝すると、賞金100万ドル(約1億6000万円)が贈られる。