2024.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】リバウンドエレクトロニクス 在庫買い取りやマッチングビジネスに力

塚原 代表取締役

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 リバウンドエレクトロニクスは、英国に本社を構える電子部品・半導体の独立系代理店。欧州で培ったノウハウとグローバルネットワークを生かし、急成長を遂げている。厳しい市況の中でも人員増強や新たな取り組みを開始し、需要の立ち上がりに備える。

 「在庫過多の状況はまだ解消されず、本格的な受注回復は来年以降になる」と話すのは、日本法人の塚原雅之代表取締役。コロナ禍に生じたサプライチェーンの混乱により、多くの顧客が在庫を抱え、市況は厳しい状況だ。

 そうした中、同社では顧客からの在庫買い取りやマッチングビジネスに力を入れる。マッチングビジネスは、顧客が保有する在庫リストを基に、必要とする顧客を探すもの。同社の持つグローバルネットワークを生かし、在庫を必要とする顧客を世界中から探し出す。塚原代表は「顧客は大量の在庫を抱えて困っている。在庫の買い取りは、当社も在庫を持つリスクはあるが、顧客の困り事解消を優先させる」と話す。

 同社は昨年から代理店ブランド「Nuvonix(ヌーヴォニクス)」を立ち上げ提案を開始した。扱うのは大手メーカー製品と互換性のある製品が中心。米中貿易摩擦の関係で、代替部品への切り替えが必要となるケースもあり、引き合いが増えている。

 2025年からの本格的な市況回復を見込み、体制強化も進める。今年末までに人員を増強し、社員教育にも力を入れる。横浜本社のほか、関西営業所(京都市)、東海営業所(名古屋市)、九州営業所(福岡市)にも増員し、各地域でのサービスを強化する。

 新たな取り組みとして、他社との協業も開始する。電子部品商社である栄電子と今年7月に協業パートナーとして活動を開始。両社の取扱製品を相互販売していく。栄電子は電源をはじめとする各種電子部品を半導体製造装置向けなどに提供している。

 塚原代表は「両社が保有する製品に重複はなく、シナジーを十分に生み出せる。当社は今年で創業5周年。部品不足などの市場環境も追い風となり、急成長を遂げることができた。新たな取り組みにもチャレンジし、さらなる成長を目指す」と話す。