2024.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】立花エレテック モノ売りからコト売りへ基盤強化

布山 社長

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 立花エレテックは、2024年3月期連結決算で増収増益を達成した。今期は中長期経営計画「NEW C.C.J2200」(21~25年度)のラスト2年に入り、最終年度での計画達成に向けて、モノ売りからコト売りへの提案を強める営業戦略や体質改善のための基盤強化などに取り組む。

 「4月以降も、依然在庫調整が必要な状況にあるものの、売り上げ、利益ともにほぼ計画通りに進んでいる」と布山尚伸社長は話す。分野別では、半導体向けは落ち着いた状況が続いているが、今後設備投資が拡大すると見ており、下期は回復する見込み。取引先の受注も回復しつつあるという。

 同社では現在推進している中長期経営計画で①新しい時代に適合した営業戦略、②体質改善のための基盤強化、③安定的に2000億円を維持できるプラットフォームの構築の三つの活動に取り組んでいる。2000億円は2期連続で達成し、今期も2280億円の目標を掲げて取り組んでいる。

 新しい時代に適合した営業戦略では「モノからコトへ」にマッチングする展示会への出展を強化している。その一環として今年度、食品機械・装置の技術展「FOOMA JAPAN 2024」「EdgeTech+」の横浜・大阪会場、「関西物流展」へ出展し、コト売りを意識した展示を行うことでソリューションビジネスへの提案につなげている。特にFOOMA展では、企画や内容は若手を中心にプロジェクトを推進。知識を高めてもらうことも含めて、人材育成の観点でも効果を期待する。

 海外は、中国では年末まで厳しい市況が想定されるが、ソリューションベースでの提案を推進する中、引き合いが増加しつつあり、車載やモバイル向け分野の成長を見込む。インドは小売りニーズが出てきたため、現地法人の立ち上げを年内に行う予定。そのためのエンジニアリングサポートも必要と考えている。

 布山社長は「新人事制度やDX化などは今後も継続する取り組みとなる。技術部隊を強化する中で成果も出ている。中長期経営計画はしっかりとやりきり、次期の計画につなげたい」と語った。