2024.09.18 【INTERMEASURE 2024特集】チノー 高放射率平面黒体炉を紹介 温度計測でセミナーも

高放射率平面黒体炉「IR-R41」

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 チノーは「温度メーカー」としてのインパクトを打ち出す。サーモグラフィーや赤外線放射温度計の目盛り校正に活用する高放射率平面黒体炉の新製品「IR-R41」を紹介する。

 黒体炉は黒体を近似的に再現した装置。放射率を1に近づけることが重要であり、困難でもあるが、新製品の放射率は0・995以上を達成している。校正温度はマイナス15~プラス120度。この温度範囲で0・995以上を実現するのは難しく、IR-R41は業界でもトップクラスの高放射率を誇る。温度安定性はプラスマイナス0.2度/30分。温度分布は100度未満でプラスマイナス0.4度、100度以上でプラスマイナス0.75度となる。

 また、4K(マイナス269度)から常温までを精密に測定する本質安全防爆形白金コバルト測温抵抗体も展示する。4Kから測定できるため、液体水素を直接測定でき、超電導分野にも活用できる。

 新たなソリューションとしては、グラフィックレコーダー(ペーパーレス記録計)「KR3-Hシリーズ」とデータロガー「FEシリーズ」を組み合わせ、最大500点の集録ができる集中監視システムを紹介する。

 KR3-Hシリーズの従来タイプでは計測ポイントは最大で120点だったが、500点集録仕様を投入(レコーダー本体の入力点数は最大で48点)。FEシリーズは1ユニットで100点のデータの取り込みが可能。ロガーを分散配置すれば、多点同時計測が容易にできる。

 今回はブース内で三つのセミナーを各日2回ずつ開く。セミナーのテーマには▽温度校正の重要性▽温度測定の科学▽マイナスの温度の世界(絶対零度と極低温)-をそれぞれ設定した。内容はビギナー向けの雑学知識、基本知識、実用知識で来場者に温度計測への理解を深めてもらう考え。温度校正の実演ではIR-R41を使用する。