2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】オータックスエレクトロニクス(タイランド) オータックス タイ工場拡張で生産体制を拡充
第二期工事が完了したタイ工場
オータックスは、グローバル製造供給拠点としてタイ工場「オータックスエレクトロニクス(タイランド)」の生産体制拡充を進めている。タイ工場の第二期工事が完了し、2023年秋に新工場での生産を開始。これにより、同工場の総建屋面積は約1万平方メートルに拡張された。
タイ工場は13年10月設立。バンコク市近郊のプラチンブリ県ハイテクカビンブリ工業団地にあり、エアコン用端子台を中心に操作用スイッチも生産し実績を拡大している。従業員数は200人。
同社グループのグローバルでのマザー工場である中国・深圳工場(広東省深圳市)はR&Dセンターおよび管理部門としての役割を強化。製造部門は中国・鶴山工場(広東省江門市)やタイ工場へのシフトを進めている。その一環として、タイ新工場を建設・稼働させた。タイ新工場は、既存の第1工場(建屋面積約3000平方メートル)と同じ敷地内に建屋面積約7000平方メートルの工場を建設したもので、深圳からの生産移管を順次進めている。
オータックスの富田周敬社長は「製造業のASEANシフトが進む中で、安心できるサプライチェーンを構築するため、タイ工場を拡張した。深圳の技術者をタイ工場に派遣し、順次設備を立ち上げ、自動化を加速させている。タイ工場は、北米や欧州、日本向けなどを含むグローバル製造供給拠点として体制拡充を進める」と話す。タイ工場ではめっきライセンスも取得済み。今後はDIPスイッチや電源スイッチの生産も検討する。
深圳工場は中国国内市場向けを中心とした製造拠点として、高度に自動化された付加価値の高い生産活動を行う。深圳の技術開発部門には製品開発と生産設備開発を合わせて約30人の技術者が在籍する。鶴山工場は、アルミ加工に加え、今後は電子部品生産も立ち上げる計画。ASEANではこのほか、マレーシア工場も展開している。「為替リスクなどを考慮し、今後は日本国内での生産も検討する」(富田社長)。