2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】HDKタイランド 北陸電気工業 基板アセンブリーモジュール製造
HDK(タイランド)の概観
北陸電気工業は、タイ工場「HDK(タイランド)」で車載用を中心とした基板アセンブリーモジュールの製造販売を行っている。
同工場は2007年に設立され、生産規模を着実に伸ばしてきたが、11年の大洪水で工場が水没。その後、移転した建屋で12年に操業を再開し、以降順調に生産規模を拡大している。立地場所はアユタヤ県ハイテク工業団地で、工場規模は敷地面積2万773平方メートル、建屋延べ床面積7700平方メートル。従業員数は約300人。
江守司MD=マネージングダイレクターは、HDK(タイランド)の特徴を「最新鋭のSMTラインを保有した高密度・高速実装対応が可能な工場。また、はんだフロー+各種組み立て+検査工程を連結することで、幅広く顧客要求に対応している」と説明する。
同工場ではタイ国内およびASEAN地区向けを中心とした基板アセンブリーモジュールの製造販売を行っている。生産品目は全体の約8割が車載用で、CID(センター・インフォメーション・ディスプレー)/電動コンプレッサー/各種ECU向けなどの車載系モジュールを生産。残りの2割は、産業機器や白物家電、バッテリー関連などの非車載系モジュールとなっている。
22年に第3工場を稼働し、現在は三つの工場棟の計10ラインで生産活動を展開。23年度(12月期)売り上げは過去最高の88億3000万円に達した。24年度は売上高・利益ともに約10%増を計画し、「ほぼ計画通り進捗(しんちょく)している」(江守MD)。
需要増加に合わせ、25年に1ラインを増設する計画。また、生産革新のため、「MES(製造実行システム)」の導入準備を進めており、25年から順次稼働させる方針だ。
今後の展開について、江守MDは「EV(電気自動車)関連ビジネスへの拡販を進める。長年にわたるタイでの車載ビジネス展開で実績が蓄積されており、今後、さらなる拡販が可能と考えている。MESシステムで生産効率を向上させ、新製品や新規顧客向けビジネスを立ち上げていく」と語った。