2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】ヨコオ・ベトナム ヨコオ 地域ナンバーワンの良工場めざす

ヨコオ・ベトナムの外観

西村 MD西村 MD

 ヨコオは、ベトナムに車載用アンテナと中継コードを生産する製造拠点「ヨコオ・ベトナム(略称=YVC)」を展開している。

 同工場は2012年に操業を開始した。ハノイ近郊ハナム省ドンバンⅡ工業団地に立地し、工場規模は敷地面積3万6200平方メートル、建屋延べ床面積2万5000平方メートル。設立以降、3回の建屋増設を実施している。従業員数約3800人。

 同工場は車載専用工場として、車載用中継ケーブルや車載アンテナ(AM/FM/衛星ラジオ/GPS/車両緊急システム用アンテナなど)などを生産し、グローバルに供給している。

 仕向け地は、米国が約50%、日本が約30%、タイが6%、ベトナム国内が5%など。同社グループのVCCS事業の量産工場は計4拠点あるが、生産数量では同工場が最大規模だ。

 西村大輔MD(マネージングダイレクター)は活動方針について、「地域ナンバーワンのグッドファクトリーを目指している。信頼される製品を製造し、地域の取引先とのウィン-ウィンの関係構築を目指している。モノづくり面では常に原価低減に努めている」と強調。

 ベトナムの特色を「若い人が多く、将来の労働力が見込める。真面目な人が多く、しっかりと働いてくれている」と話す。

 西村MDは、最近の生産動向について「コロナが終息し、23年は生産量が急増した。現在はフィリピン工場への中継コードの一部生産移管も進めている。品目ごとに自動機生産と手動生産を使い分け、コスト低減に努めている」と説明する。

 同工場の23年度(24年3月期)の生産実績は、販売数量(アンテナ+中継コード)が約3700万台に達し、過去最高となった。24年度の販売数量も23年度を上回る見込みだ。

 同工場では車載用アンテナの組み立てラインの自動化を進めており、検査工程の自動化も本社の協力を得て進める。24年度中にIATF 16949認証取得も目指している。

 同社グループのベトナム製造拠点はこのほか、半導体検査用プローブ製造の「ヨコオ・エレクトロニクス・ベトナム」がある。