2024.09.20 【電子部品メーカー/商社 ASEAN特集】タチバナ オーバーシーズ ホールディングス 立花エレテック スタッフを増強し対応力高める
中村 MD
立花エレテックの海外7社の持ち株会社「タチバナ オーバーシーズ ホールディングス」(TOH)は、人への投資を強めている。特にASEAN地域では半導体とFA分野が基軸事業であり、そのナショナルスタッフを継続的に強化し、技術スタッフも増やしている。TOHの中村喜則マネージングディレクター(MD)は「先のことも見越し、対応力を高める」と話す。
立花エレテックの2024年3月期通期連結業績は増収増益となり、売上高は3期連続、利益は各項目とも2期連続で過去最高を更新した。半導体デバイス事業は、マイコンなどの半導体素子が国内外ともに前年を上回る実績となった。TOHの1~6月の実績は、顧客の在庫調整が続き、落ち着いた状況が続く。一方で、在庫の量は1年前と比べると減少しており、明るさも見え始めている。
この状況下、同社では中国やASEAN地域でのナショナルスタッフを増員し、ローカル企業の開拓を推進。その上で、ASEANも含め技術スタッフの採用を強化してきた。「上昇局面での対応力強化に備える」と中村MD。
グローバルに生産拠点がある顧客は、為替変動や地政学的なリスクを考慮し、日本・中国・ASEAN拠点の生産計画をフレキシブルに変更する動きがある。同社は、海外拠点の情報共有の場をリモートで設け、各国での対応力強化に努めている。そのためにグローバルに情報を共有する新システムも運用を今年から開始した。
そして、このシステムも活用した気付きをベースに、上昇局面を見極め、受注につなげることにも注力している。「顧客との密な情報交換を大切にしたい」(中村MD)。
また、この顧客との情報交換から悩みを引き出し新商材への提案にもつなげる活動も推進している。「部品の小型化など顧客の課題からどのようなものづくりがしたいか見えてくる。課題が解消できる新商材の提案を行いたい」(中村MD)。
今後は、年明けから動きが強くなることを見越し取り組みを強化。市場が伸びているインドでは、事務所の立ち上げを準備している。来年1月のスタートを見据え顧客の開拓を目指す。