2024.09.26 【関西エレクトロニクス産業特集】分野別動向 SDGs

環境配慮の製品開発やソリューション提案をはじめ、持続的成長に向けた取り組みが加速

カーボンニュートラル実現へ

サステナブル経営など取り組み加速

 2050年カーボンニュートラル実現に向け、関西の電機メーカー各社ではSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが加速している。

 温暖化ガス排出抑制など社会課題の解決と同時に、環境貢献をベースとした事業戦略による持続的な成長と企業価値の向上に全力で臨んでいる。

 近年、国内の企業においてはSDGsへの取り組みは必須であり、自社の事業成長と切り離せないテーマとなっている。環境配慮製品や技術をはじめ、社会課題の解決を図るビジネスが関西でも進んでいる。

 また、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにグローバルな課題への挑戦が打ち出される「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の開催準備が大詰めを迎えている。関西の各企業でもこれを機にSDGsの推進がさらに加速することになる。

 関西地域では17年12月に、国際協力機構関西センター(JICA関西)、経済産業省近畿経済産業局、関西広域連合本部事務局を共同事務局とする「関西SDGsプラットフォーム」も発足している。

 関西での持続的社会の構築に向けた活動や高い社会的価値を生み出す経済活動を加速すべく、さまざまな取り組みが進む。

 関西の電機メーカー各社も、環境や社会、ガバナンス(ESG)にまたがるサステナビリティー各分野における取り組みに力を入れている。

 関西の大手・パナソニックホールディングスは、環境分野においてパナソニックグループ全体でサステナビリティー経営を進めるため、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT(PGI)」を制定している。

 PGIでは、CO₂排出ゼロ工場の拡大などCO₂排出削減、資源循環に取り組む中期環境行動計画に取り組んでいる。

 この中で、自社バリューチェーンのCO2削減量は昨年度、CO₂ゼロ工場がグローバルで44工場(CO₂削減量68万トン)となり、20年度の7工場から大幅に増加。24年度目標である37工場(同26万トン)を前倒しで達成するなど着実に成果を上げている。

 同社にとどまらず他の電機関連メーカー各社も、環境や社会課題の解決をはじめ、多方面での持続的成長に向けた取り組みを強化。定量的な目標を定め、その達成を見据えて着実に進んでいる。