2024.11.13 エヌビディア、ソフトバンク基地局でAI推論処理 5Gとの両立可能も確認、日本独自の基盤に活用視野

AIについて対談するフアン氏(左)と孫氏(13日、都内)

 ソフトバンクは、携帯電話基地局に人工知能(AI)の機能を持たせ、5G通信などの処理負荷が少ない時に、計算能力の余剰を生かしてAIの推論処理を行う。半導体大手の米エヌビディアの技術「AIエリアル」を採用した「アイトラス」と呼ぶ仕組みを構築。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが、ソフトバンクグループの孫正義代表取締役会長兼社長執行役員との対談で明かした。

 東京都内で開かれたイベント「エヌビディアAIサミットジャパン」で行われた対談の中で、フアン氏は「私がソフトバンクにAIエリアルを提案した」とし、1年にわたってこの協業に取り組んできたと述べた。孫氏やソフトバンクの宮川潤一代表取締役社長執行役員兼CEOから「日本でやるべきだ」との反応を得たという。

 孫氏は、セキュリティー上の観点から「日本は独自のAIを持たなくてはならない」との見解を示し、ソフトバンクが構築するAI向けスーパーコンピューターとともに、携帯電話の基地局をAIに活用する意義を強調した。

 ソフトバンクは神奈川県で屋外試験を実施し、5G通信とAI推論処理を同時に実行できることを実証した。自動運転車の遠隔サポート、ロボット制御、文章や画像などのマルチモーダル検索拡張生成(RAG)などを試したという。(14日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)