2020.06.26 スパコン「富岳」が8年半ぶり世界一を奪還理研と富士通、性能など4部門で達成

記者会見する理研・松本理事長(左)とモニターの富士通・時田社長

スパコン「富岳」をバックに立つ松本理事長(中央右)と理研計算センター・松岡センター長(中央左)
 スパコン「富岳」をバックに立つ松本理事長(中央右)と理研計算センター・松岡センター長(中央左)

 理化学研究所(理研)と富士通が共同で開発しているスーパーコンピュータ「富岳」が、世界のスパコンの性能ランキングで1位を獲得した。

 これを受けて23日、神戸市中央区の理化学研究所で会見が開かれた。日本のスパコンが、世界一を奪還したのは、スパコン「京」以来、8年半ぶり。

 会見で、理研の松本紘理事長は「富岳が4部門で1位となり、〝4冠〟を達成した。輝かしい成果にほっとしているが、まだまだパフォーマンスを上げる余地がある。最大限努力し、Society5.0に貢献したい」と喜びを表した。

 今回、富岳は、世界のスパコンに関するランキングの①TOP500②HPCG③HPL-AI④Graph500の全てで、2位に大きな差をつけて1位を獲得した。4部門で同時に1位を獲得するのは世界初の快挙。

 この成果は、富岳の総合的な性能の高さを示すものであり、新たな価値を生み出す超スマート社会の実現を目指すSociety5.0において、シミュレーションによる社会的課題の解決やAI(人工知能)開発、情報の流通・処理に関する技術開発を加速するための情報基盤技術として、富岳が十分に対応可能であることを実証したものといえる。

 会見にオンラインで参加した富士通の時田隆仁社長は「スパコン性能ランキング世界1位という素晴らしい結果を大変うれしく思う。富士通はテクノロジーカンパニーとして、お客さまに価値を提供していく使命がある。今回、日本の技術力、モノづくりの強さを世界に示すことができた。開発の成果をグローバルに展開し富岳の価値を世界中に提供していく」と述べた。

 会見には理研計算センターの松岡聡センター長、富士通の新庄直樹理事(オンライン)も参加。

 松岡センター長は「富岳は、スパコンとしてそれ自体の利用とともに、開発された富岳のITテクノロジーが、世界をリードする形で普及し、新型コロナに代表される多くの困難な社会問題を解決していくだろう」と強調した。

  新庄理事は「新型コロナの影響があった状況下で、機器の搬入からわずか1カ月ほどで今回の結果を達成できた。富岳が、高いアプリケーション実行性能を実証し、Society5.0の実現を担うスーパーコンピュータとして広く利用されることを期待している」とし、開発の背景や富岳への期待を語った。