2024.12.11 【セミコンジャパン2024特集】坂口電熱 断熱材「エミファイン」、軽量で高い保温効果持つ
断熱材「エミファイン」を使用したジャケットヒーター
坂口電熱は、最先端の電熱技術を駆使した製品を提供し、産業界に貢献してきた。熱効率の向上や省エネルギー、カーボンニュートラルに取り組む半導体業界のニーズも見据え、製品を開発している。
「エミファイン」はガラス繊維を使用した軽量で保温効果の高い断熱材。従来品と比べて20%の保温性向上、30%の軽量化を実現した。放熱を抑え、空調出力も減らせるため、電力量やCO₂などトータルの省エネを促進する。業界の動向に応じて保温性アップを今後も検討していく。
この断熱材は優れた加工性を持つ。配管は長さや曲げ、フランジ(配管端部に取り付ける円形部品)など形状が複雑。特に半導体工場ではガスや真空引き用の配管、装置の設置面積などを踏まえて複雑さが増す。エミファインは形状に合わせて設計することができ、同社では現地で配管を測定してオーダーメードにも対応する。
配管の長さによっては断熱材自体の重さが問題になるケースがあるが、エミファインの軽量化が設置やその後のメンテナンスなどの作業面で効果を発揮。着脱自在で、繰り返しの使用も可能だ。配管に巻くので、作業者のやけどのリスクなど安全面にも貢献する。
エミファインを使用したジャケットヒーターは省エネ効果が高い。断熱材なしのリボンヒーターと比較した場合(配管はφ89.1×長さ900ミリメートル、温度100/150/200度など)では、消費電力差が20%以下となった。
カートリッジヒーターや面状ヒーターなど、同社製品は各種装置で使用されている。ここ数年、米国の安全規格「UL規格」へのニーズが高まっており、オーダーメードで対応する。同社は特注品を得意としており、顧客のニーズに合わせ、1個からでも対応する方針だ。