2025.01.01 【家電総合特集】暮らし&ホームソリューション’25展望 IHクッキングヒーター

調理性能が進化し、使いやすさも向上したIHクッキングヒーター

買い替え需要の獲得へ訴求

グリル性能や使い勝手向上

 200VビルトインIHクッキングヒーターは、安心・安全・クリーンな調理機器として注目されている。

 日本電機工業会(JEMA)は11月1日を「IHクッキングヒーターの日」と定めており、業界を挙げた普及啓発活動にも力を入れている。

 200VビルトインIHクッキングヒーターは温度制御に優れ、高度な調理機能が充実している。

 最新のモデルでは、グリルの調理性能の向上やIH加熱コイルの進化などのハード面で、また、最適な調理プログラムの開発などのソフト面で、先進の技術が盛り込まれ、調理機器としてより使い勝手が向上した。

 200Vビルトインタイプ(2口以上)の需要は、買い替え需要も加わり安定した需要がある。

 IHクッキングヒーターを一度使用したユーザーは、リピート率が高いため、買い替え提案が重要となっている。

 ビルトインIHクッキングヒーターの所有率はおよそ約3割。IHクッキングヒーターは、1990年にパナソニックが国内で初めて実用化した。製品としての歴史は比較的浅く、今後、所有率がさらに高まる余地は十分にある。

 JEMAの統計によると、24年度のIHクッキングヒーターの需要は堅調で、上期(4~9月)は前年同期比100.6%(金額ベースでは同108.6%)で推移。9月単月では前年同月比109.1%(金額ベースでは同112.6%)となっている。

 IHクッキングヒーター市場では新規(熱源転換)、買い替え・リフォーム需要があり、市場拡大のためには新規はもとより買い替え・リフォーム需要の獲得が重要だ。2000年前後の市場拡大期に購入したユーザーの買い替え時期を迎えており、そのストック台数は多い。

 IHクッキングヒーターの性能や使い勝手など、総合的に商品力が進化しており、買い替え時期を迎えるユーザーに対しては、買い替えることでのメリットをしっかり訴求していく必要がある。

 最新モデルは、センサー搭載による鍋振り調理の実現や、揚げ物・焼き物の温度調節、オールメタル対応などコンロとしての調理性能が飛躍的に高まっている。

 近年では、共働き世帯が増加しており、家事負担の軽減に対するニーズも強まっている。

 時短や省家事が求められる中、冷凍食材を解凍の手間なく、グリルで簡単に調理できるといった使い勝手のさらなる進化で、IHクッキングヒーターの買い替え提案を図りやすくなっている。