2025.01.08 【製造技術総合特集】主要各社の25年戦略 東芝インフラシステムズ

高柳 技師長

OT・ITワンストップで提供

 東芝インフラシステムズは2023年4月に東芝デジタルソリューションズと連携し、両社内に「スマートマニュファクチャリング事業部」を設立した。両社が一体となった事業運営を行うことで、製造業向けのOTとITのソリューションをワンストップで提供できる体制を整えた。24年は積極的な新製品投入が加速した一年になった。

 昨年5月、「計装クラウドサービス Meister Controlシリーズ」の新ラインアップ「PLCパッケージ typeN1」をリリース。産業用コントローラーをクラウド上に実装することで、運用保守などの対応をオンラインで可能とし、顧客のDX化をサポートする。

 7月にはスマートマニュファクチャリングに貢献する次世代統合制御システム「CIEMAC VS(シーマック ブイエス)」を発売した。従来のコントローラー機能に加え、コンピューター機能を搭載。データの収集から分析まで、別途パソコンを準備することなく実現でき、業務改善や生産性向上に貢献する。

 産業用コンピューターでは、デスクトップ型の「FA3100TX model 800」をラインアップ。放送や通信、上下水道、交通、電力の監視制御といった社会インフラシステムの幅広い分野で顧客システムの安定稼働を支える。

 スマートマニュファクチャリング事業部の計装・制御システムの高柳洋一技師長は「製造業の課題に対して生産性の向上や設備投資削減、運用保守効率化に貢献する主な製品・サービスは24年までに開発を完了した。市況や設備投資の回復に即対応できる製品はそろえた。25年は、東芝のOT・ITワンストップで強みを訴求し、規模の拡大を目指す」と話す。

 25年は新製品として、リストバンド型センサーMULiSiTEN「MS200」の第2世代モデルを投入予定。また、高速型X線厚み計「TOSGAGE-8000RS」をリリースする。

 11月には「IIFES 2025」に出展予定で、新製品の紹介のほか、クラウド型PLCの実証成果も訴求する計画だ。高柳技師長が実行委員会の委員長を務めている。