2025.01.17 【情報通信総合特集】情報サービス トップに聞く 25年の見通し・経営戦略 Coltテクノロジーサービス 水谷安孝アジア太平洋地域社長
グローバルでワンストップ支援
国内SI企業と連携強化
英国に本社を置き、100ギガbpsの自社所有の光ネットワーク網を活用した法人向けネットワークやデータセンター、音声サービス、クラウド接続、セキュリティーサービスなどを世界40カ国で提供している。2023年には米通信大手ルーメン・テクノロジーズのEMEA(欧州・中東・アフリカ)事業を買収し、これまで十分にカバーできていなかった地域の基盤を固めた。
市場環境をみると、クラウドやAIといったテクノロジーを企業の成長戦略の要と位置付けるようになり、最新テクノロジーを使いこなすためのネットワークインフラを求める声が多くなってきた。特にアジア太平洋地域では、データセンターをつなぐクラウド接続やオフィス間をつなぐインターネット接続が前年比2割増で推移。安全性も求められ、セキュリティーサービスも伸びている。
昨年は新たにフィリピン、台湾、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアの六つの国・地域で事業を拡大するとともに、オーストラリアへも自社ネットワークを拡張した。これによりアジアの複数国をまたぐネットワークでも、標準化された品質でワンストップで接続できるようになった。
日本も重要な市場だ。東京、大阪、名古屋、京都、神戸に都市ネットワークを敷設し、現在は25年の稼働を目指し、広島、岡山、福岡に拡張する準備を進めている。日本が求める高品質への対応に力を入れ、西日本エリアの拡張に富士通の光送受信機を活用することも決めた。英国本社経営陣も日本の品質管理を高く評価している。
25年は地域の課題をグローバルで共有しサービスなどに反映できるよう橋渡しをしていきたい。投資もこれまでのインフラ整備から、必要な時に必要なだけネットワークが使えるネットワーク・アズ・ア・サービスの実現や自動化などの領域に移っていく。
日本ではグローバルでのワンストップサポートと国内SI企業との連携を強化する。当社サービスは証券取引所や海外金融、放送、ゲームなど大容量で低遅延な通信を求める企業が採用しており、大容量ネットワークをグローバル接続できる強みがある。昨年、国内での多言語ワンストップの営業やサポートの体制を整えた。海外展開する企業は回線接続が非常に煩雑になるが、当社が窓口になれば高品質な回線接続を速やかに支援できる。さまざまな要望にも柔軟に対応できる。
多くの日系企業はSI企業と連携しネットワーク構築などを進めている。当社自身もSI企業との連携を図り日系企業の支援を図っていく考えだ。主要SI企業との協業を加速させ、当社ネットワークサービスと組み合わせたソリューション展開も進めていきたい。