2025.01.21 安心・安全なAIエージェント エヌビディアの技術がもたらす未来

NIMマイクロサービスはセキュリティとコンプライアンスに基づく信頼性を提供する

一人一人に寄り添い最適化されたAIエージェントを実現する一人一人に寄り添い最適化されたAIエージェントを実現する

 エヌビディアは、AI(人工知能)エージェントの信頼性、安全性、セキュリティー、コンプライアンスといった重要な懸念に対処するため、AIガードレール向けに「NVIDIA NIMマイクロサービス」をリリースした。これにより、AIエージェントは世界の10億人の知識労働者の生産性を変革する態勢を整えた。

 エヌビディアの生成AIソフトウエア製品管理担当副社長であるカリ・アン・ブリスキ氏は、オンラインプレスブリーフィングの中で、「セキュリティー、データプライバシー、ガバナンスの要件を満たすためにAIエージェントを評価することが重要である」と述べた。AIエージェントは、ほかのAIエージェントやエンドユーザーと迅速かつ効率的に対応する必要がある。そこで、「NVIDIA NeMoガードレール」の出番となる。

 ブリスキ氏は「NeMoは、AIエージェントやそのほかの生成AIアプリケーションに対して、AIのガードレールやポリシー、ルールを定義し実施するためのプラットフォーム。ガードレールは、AIモデル、エージェント、システムの仕様を強制することで、AI運用の信頼性と確実性を維持するのに役立つ」と話す。

 マイクロサービスにおける編成の中心となるのは、AIのキュレーション、カスタマイズ、ガードレールを行うNVIDIA NeMoプラットフォームの一部であるNeMoガードレールだ。NeMoガードレールは、開発者が大規模言語モデル(LLM)アプリケーションのAIガードレールを統合して管理することを可能にする。

 開発者はNIMマイクロサービスを利用することで、より安全で信頼できるAIエージェントを構築可能。自動車、金融、ヘルスケア、製造、小売などの業界のカスタマーサービスに導入されることで、エージェントは顧客満足度と信頼性を高めることができる。

3つの新しいNIMマイクロサービス

 コンテンツの安全性をモデレートするために構築された新しいマイクロサービスの1つは、Aegis Content Safety Datasetを使用してトレーニングされた。エヌビディアによってキュレーションされ所有されているこのデータセットは、Hugging Faceで一般公開されている。AIの安全性とシステム制限を迂回する、いわゆる「脱獄」を試みた3万5000人のエンジニアによる注釈付きデータサンプルが含まれている。

 NeMoガードレールがAIエージェントを軌道に乗せるため、幅広いビジネスプロセスの生産性を急速に高めている。カスタマーサービスでは、顧客の問題を最大40%速く解決するのに役立っている。しかし、カスタマーサービスやそのほかのAIエージェントのためにAIを拡張するには、有害または不適切な出力を防止し、AIアプリケーションが定義されたパラメーター内で動作することを保証する安全なモデルが必要。エヌビディアは、NeMoガードレール向けに3つの新しいNIMマイクロサービスを発表し、AIエージェントが制御された動作を維持しながらスケールアップして動作するのを支援する。新たなNIMマイクロサービスは、以下の通り。

① コンテンツセーフティーNIMマイクロサービス…AIが偏った出力や有害な出力を生成しないように保護する。
② トピックコントロールNIMマイクロサービス…会話を承認されたトピックに集中させる。
③ 脱獄検知NIMマイクロサービス…脱獄の試みに対する保護を追加し、AIの完全性を維持する。

 NeMoガードレールコレクションのような小規模言語モデル(SLM)は、レイテンシーが低く、リソースに制約のある環境や分散環境でも効率的に実行できるように設計されている。そのため、ヘルスケア、自動車、製造業などの業界で、病院や倉庫などの場所でAIアプリケーションを拡張するのに理想的だ。

 NeMoガードレールによるAI NeMガードレールは、オープンソースコミュニティーを通じて提供されている。開発者が複数のAIソフトウェアポリシー(railsと呼ばれる)を編成し、LLMアプリケーションのセキュリティーと制御を強化することができる。NVIDIA NIMマイクロサービスと連携し、安全性や性能を損なうことなく大規模に展開できるAIシステムを構築するための堅ろうなフレームワークを提供する。

 AIの高度化ととともに、一人一人に最適化されたAIエージェントが業務を手助けする世界はすぐそこまで来ている。それを実現するためにエヌビディアの技術は不可欠。NVIDIA NIMマイクロサービスは、AIエージェントの技術開発を後押ししする。