2025.02.10 最適な転院先をAIが提示 日本IBMと順天堂大、マッチングシステム運用へ
記者発表する順天堂医院の山路副院長(左)と日本IBMの金子執行役員
日本IBMと順天堂大学は、退院を控えた入院患者に、AI(人工知能)が最適な転院先を提示する新たなマッチングシステムの構築・運用に向けた取り組みを始めた。2024年度中の本格運用を目指す。
開発したのは「Patient Flow Management(PFM)AIマッチングシステム」と呼ばれる仕組み。
同システムでは、クラウド上に格納されている電子カルテのバックアップデータと連携。同意を取得した患者のIDをもとに、病名のほか、患者や家族の住所の近隣など条件に合う施設を検索し、患者一人一人に最適な転院先となる医療機関を提示する。
転院先候補として、順天堂大学と提携している医療機関など約4000施設を登録、医療機関までの経路を、電車、車、徒歩といった移動手段ごとに地図上に表示。転院後の通院や家族のサポートを具体的にイメージしやすいようにした。
順天堂大学医学部附属順天堂医院の山路健副院長は「看護師やソーシャルワーカーがタブレット端末上で患者とともにシステムを閲覧し、ニーズを確認しながらリアルタイムで情報を提供するサービスも実現したい」とした。
日本IBMの金子達哉執行役員は「地域医師会や介護業界と連携し、登録する施設を拡大し、退院患者の自宅への適応を拡大したい。プラットフォーム上で診療歴など情報がデジタルで共有されることにより医療連携を加速し、労働人口不足解消につなげたい」と話した。(12日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)