2025.03.25 半導体製造で印台が接近 初の300ミリウエハー工場建設へ

EPICとTEEMAの連携で、インドは半導体産業の強化に乗り出した

チョードリー博士チョードリー博士

 米中貿易摩擦を背景に、半導体サプライチェーンをめぐる地政学リスクが高まる中、インドへの関心が高まっている。こうした中、インドの非営利団体EPIC Foundation(EPIC)と台湾電機電子工業会(TEEMA)が、電子産業における戦略的パートナーシップの構築に向けた協力覚書(MOC)を締結した。

 EPICは、インドに本社を置くグローバル企業HCLテクノロジーズの共同創業者らが設立した団体。今回の提携により、台湾企業によるインドへの投資促進や、グローバル電子バリューチェーン(GVC)の確立を目指す。技術や商業戦略の専門知識をはじめ、インド国内のネットワークを活用し、台湾企業とインド企業の技術・投資提携を支援していく。

 EPIC会長のアジャイ・チョードリー博士は、「今回のMOC締結は、インドの経済成長とグローバル市場における影響力の拡大に役立つ」と述べた。一方、TEEMAの李詩欽会長も「共通の利益と相互信頼の上に築かれたこの協力関係は、間違いなく双方に利益をもたらす」と強調した。

 インド政府は半導体産業の国内育成に注力している。タタ・エレクトロニクスが東京エレクトロンの協力の下、グジャラート州ドレラにインド初の300ミリメートルウエハー工場を建設する。新工場は、台湾の力晶積成電子製造(PSMC)との合弁だ。アッサム州ジャギロードには、半導体の組み立て・テスト工場も建設中で、2027年の稼働を目指している。今後もインドの半導体関連投資は加速する見通しだ。

<執筆・構成=半導体ナビ