2025.05.02 「スマート農業×衛星データ」 農業系スタートアップが新システム開発へ
スマート農業と衛星データを組み合わせた農業システムの研究開発を開始
農業系スタートアップのAGRIST(アグリスト、宮崎県新富町)が、スマート農業と衛星データを組み合わせた農業システムの研究開発を開始した。持続可能な食料システムの構築を目指す国の重要戦略「みどりの食料システム戦略」の実現に貢献する狙い。
研究開発するシステムは、アグリストが強みを持つ水田や農地レベルでの精密なAI(人工知能)分析・ロボット制御技術に、衛星データによる広域で多角的な情報を統合するもの。「地表面温度」や「気象パターン」などの広範囲な情報を衛星データから継続的に取得することで、作物の生育状況や病害虫リスクなどの早期の把握が可能になる。
衛星データによる広域情報をアグリストのAIが解析し、水田や農地のAIロボットにフィードバック。「精密な成育診断と収量予測」「最適なリソース管理」「病害虫・病気リスクの早期発見と予防的防除」「気候変動への適応力強化」といったデータ駆動型農業の実現を目指す。
データ駆動型農業は、自然現象や気象情報に基づく判断に加え、人工衛星情報、AI診断などを取り入れる新しい農業の形を指す。このシステムの実用化に向け、アグリストは実証実験に取り組むパートナーを募集する。
秦裕貴代表取締役は今回の研究開発について、「これまで見えなかった畑の状態が明らかになり、化学農薬や化学肥料の使用を最小限に抑えつつ、最大の生産性を引き出すデータ駆動型農業が実現できる」と話している。