2025.07.23 【TECHNO-FRONTIER特集】ニチコン 成長市場に重点、各種コンデンサーなど開発
導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサー「GWCシリーズ」
ニチコンは、自動車や情報通信などの成長市場に重点を置いて製品を開発している。
導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーは、7月にGYG・GWCシリーズの量産を開始した。GYGシリーズは高容量箔(はく)、薄手のセパレーターを採用。標準シリーズの温度保証、耐湿保証を維持したまま、3ランクの高容量化と最大1.8倍の高リプル化を図った。
GWCシリーズは、高導電率リードを使用することで、保証寿命はそのままに、従来品より最大約1.1倍の高リプル化を実現。2シリーズともユニットの軽量化、小形化、回路設計のさらなる高性能化に貢献する。
チップ形アルミニウム電解コンデンサーは、UCNシリーズの量産を7月に始めた。従来品と比べて静電容量を1.5倍に、保証寿命を125度3000時間へ長寿命化。さらに、車載12Vラインでの暗電流を考慮した回路設計ニーズに対して16V印加時の漏れ電流保証を新たに設定した。
導電性高分子アルミ固体電解コンデンサーは、7月からPCYシリーズの量産を始めた。高耐熱性の封止ゴムを採用して気密性を向上させ、導電性高分子の劣化を防ぐとともに、電解質である導電性高分子材料を最適化。125度1万2000時間の高温度長寿命、85度85%RH1000時間の耐湿保証を実現した。
125度5000時間保証のリード線形アルミ電解コンデンサーUBRシリーズは、旧シリーズ比2.5倍の長寿命化を図った。
基板自立形アルミニウム電解コンデンサーは、105度5000時間保証のLGAシリーズを提案。業界最高レベルの高リプル電流対応と長寿命を実現した。フィルムコンデンサーは、xEV向けにEMシリーズが広く採用されている。
IoT機器向けには、小形リチウムイオン二次電池SLBシリーズを提案。10月から使用温度範囲マイナス30~プラス80度の高温耐久品の量産を開始予定だ。
回路製品は、産業ロボット向けの標準電源、常時インバーター小型UPSなどを用意している。