2025.07.31 「2ナノ量産に貢献」 シーメンスの半導体管理サービス、ラピダスが採用

シーメンスのヘミルガン氏(左)と堀田氏=31日、東京都千代田区

 独IT大手のシーメンスデジタルインダストリーズソフトウエアは31日、半導体ライフサイクル管理(SLCM)サービス「Teamcenter(チームセンター)」を、最先端半導体の量産を目指すラピダスが導入すると発表した。設計から開発、生産準備、試験、品質管理までのプロセスを一元管理し、ラピダスの量産ライン立ち上げと世界市場への安定供給をサポートする。日本の半導体企業での本格活用を後押しすることで、日本市場での存在感を高めたい考えだ。

 「集積回路の設計工程では従来多くの手作業が介在し、全体を通じて要求仕様からプロセス実行までの流れに統一性がなかった。チームセンターにより、データ統合に基づく迅速な意思決定や、AI(人工知能)技術の段階的導入を促進できる」。シーメンスデジタルインダストリーズソフトウエアのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるトニー・ヘミルガン氏はラピダスに選ばれた理由をこう説明した。

 チームセンターは、製品データ管理やワークフロー管理、リアルタイムコラボレーション、トレーサビリティー機能を備え、マイクロソフトのOfficeや主要CADツールと連携できる。工程管理やAI・クラウド活用にも対応し、製品開発を支援する半導体ライフサイクル管理サービスになる。業務プロセス間をデータ連携させることで、品質を最大限に高め、歩留まり(良品の割合)の向上と生産性の強化につなげられる。

 日本法人であるシーメンスの堀田邦彦社長兼CEOは「ラピダスは日本の半導体産業復活のシンボル。当社の独自の機能により、最先端2ナノメートル半導体量産というラピダスの目標実現に貢献したい」と力を込めた。