2025.08.29 【ソリューションプロバイダー特集】アイティフォー 坂田幸司社長

金融・公共の強み拡大

AI活用と人材育成で成長へ

 市場全体の堅調な需要を背景に、地方自治体システム標準化案件が計画通りに進むなど公共・金融分野を中心に堅調だった。ただ、第1四半期は出荷時期のずれ込みや人材投資の増加により前年同期比で減収減益となった。

 決済端末「iRITSpayターミナル」が顧客側サービスのリリース時期変更の影響を受け、第2四半期への計上ずれが生じたことなどが収益を圧迫した。人材育成や研究開発強化の投資増も営業利益を押し下げる要因となった。

 一方で受注残が相当積み上がっており、後半戦で確実に巻き返せる。

 強みを持つ金融パッケージ事業では、地銀連合や合併といった再編に対応できる柔軟性を生かした展開を強化している。既存パッケージに加え、新規パッケージ開発にも取り組み、地域金融機関で確立した成功モデルを全国へ横展開していきたい。

 公共システム分野では、国のシステム標準化に向けたスケジュールの遅れから一部案件は2026年度以降にずれ込むものの、標準化が加速すれば事業拡大余地は大きい。

 設計書から製造までの自動化を可能にするAI(人工知能)サービスを、スタートアップ企業と共同で開発している。製造工程の約半分を削減できる仕組みで、25年下期の提供開始に向けて準備を進めている。

 長年手がけてきた債権管理・回収パッケージで培った経験を生かし、新たに法律事務所と金融機関をつなぐ債権整理プラットフォームの提供を開始するなど、応用領域を広げている。人の手が足りない時代だからこそ、現場を支える人材力が企業競争力になる。社員教育は最大の経営投資と位置付けている。

 次世代の人材育成に向けエンジニア教育に約8カ月半の研修期間を設け、基礎資格取得をサポート。社内での技術ノウハウを属人化させず、学習時間を日常的に確保し、コミュニティー単位で共有する仕組みを構築している。

 当社は企業向けの事業を展開しているので、下期に向けて、学生や若年層への認知度を高めるマーケティング施策を強化したい。ラジオ広告やプログラミング大会の協賛を通じて、次世代人材の採用力向上と自社ブランドの浸透を図りたい。

 後半戦でも、金融機関向けの大型案件や公共システム標準化需要の取り込みが成長をけん引すると見込んでいる。金融・公共の堅固な顧客基盤に加え、AIやスタートアップ連携による開発効率化、人材投資による次世代基盤づくりを進めている。「お客さまを裏切らない」姿勢を武器に、社会インフラに組み込まれるサービスを全国展開していく中長期戦略を着実に進めていきたい。