2025.10.02 エヌビディアの高性能GPU搭載スパコン「さくらONE」提供開始 さくらインターネット

 さくらインターネットは、米半導体大手エヌビディアの高性能GPU(画像処理半導体)「NVIDIA H200 GPU」を搭載したスーパーコンピューター「さくらONE」の提供を開始した。

 同社は、2025年6月に発表されたスーパーコンピューターの国際性能ランキング「TOP500」で世界49位に入った「NVIDIA H100 GPU」の構成をベースに、新システムを構築した。さくらONEは、GPUメモリ141GBを備えるNVIDIA H200 GPUを1台当たり8基搭載したサーバーを最大55台まで接続でき、計440基のGPUリソースを同時利用できる。

 システムは北海道石狩市の石狩データセンター内に設置したコンテナ型データセンターで稼働する。直接液体冷却方式を採用し、さらに電力制限を設けない設計とすることで、GPUの性能を最大限に引き出せる構成とした。

 利用分野は、気象予測や防災シミュレーションの大規模モデル解析、医療分野の画像処理やゲノム解析、エネルギー分野における流体・構造解析など、多岐にわたる。

 計算状況の可視化やユーザー管理、障害発生時のノード交換などを一括支援するマネージドサービスも提供し、利用者の運用負担を軽減する。利用期間は最短30日からで、1日単位で最大55台のサーバーを予約できるため、柔軟な利用が可能だ。生成AI(人工知能)の実用化や試験導入に向けた計算基盤としての活用も想定している。

 同社は今後、次世代「NVIDIA Blackwell GPU」を採用した新たなさくらONEの提供を予定しており、2025年11月に発表されるTOP500ランキング入りを目指す。