2025.10.02 自動車整備業界の半数が「人手不足・採用難」に危機感 経営者への実態意識で浮き彫りに

外国人を雇用する上で、懸念されること(出所:チェングロウス)

外国人が自動車整備士・メカニックとして働くために重要な要素と求められるサポート外国人が自動車整備士・メカニックとして働くために重要な要素と求められるサポート

 自動車整備士の分野で少子高齢化に伴う人材不足が深刻化している傾向が、自動車関連の総合人材サービスを展開するチェングロウス(東京都中央区)の調査で浮かび上がった。

 同社は自動車整備事業の経営者約204人を対象に、「外国人自動車設備士・メカニックの採用事情と業界課題」に関する調査を行った。

 この中で「現在の自動車整備業界において、深刻だと感じる課題」について尋ねた結果、「人手不足・採用難」が最も多く、52.9%を占めた。業界で人材の確保が喫緊の課題となっていることが分かった。これに、「技術革新への対応」(38.2%)や「賃金水準」(28.9%)が続いた格好だ。

 人手不足を補う一手として、外国人自動車整備士・メカニックの採用を選択肢に挙げるケースが増えているようだ。

 外国人整備士・メカニックを採用したことがあると答えた企業に採用ルートを聞くと、「自社採用」が最多となった。中でもハローワーク経由の採用が多く、49.0%。その次に多かったのが人材紹介・派遣会社の利用で、29.8%に達した。

 これまでに採用した外国人の在留資格の種類を問うと、「技能実習」が最も多く、65.4%。外国人を雇用する上で懸念されることを尋ねると、「日本語での意思疎通」(51.5%)などが上位に入った。

 外国人が自動車整備士・メカニックとして活躍するために必要と思う要素については、「業務への真剣な姿勢や熱意」「技術スキルや資格の所持」「日本語能力」に回答が集まり、いずれも40%を超えた。

 また、外国人が日本の自動車整備工場で安定的に働くためのサポートへの思いを探ると、「日本語研修」と「在留資格に関するサポート」が39.7%の同率で最多になった。

 外国人を採用する際に築いてほしいキャリアに関しては、「日本で長期的にキャリアを積み、将来的には永住してほしい」(37.8%)が最も多かった。

 自動車整備工場で働く外国人のキャリアアップのために重要と思うことついては、「自動車整備士としての資格取得」(43.1%)や「マネジメント・リーダーシップ力の向上」(37.3%)などが挙げられた。