2025.10.10 オーディオ用半導体「MUSES」に小型DFNパッケージの2回路入りJFET入力型オペアンプ
左がEMP-8-ANパッケージ、 右がDFN4035-8-GRパッケージ
日清紡マイクロデバイスは、高性能オーディオ機器用半導体 「MUSES(ミューズ)」ブランドの新製品「MUSES8921」を9日に発売した。2回路入り接合型電界効果トランジスター(JFET)入力型オペアンプのスタンダードモデル。高評価を得た従来製品「MUSES8920/A」をベースに、上位シリーズであるフラッグシップモデルを開発する過程で培った高音質化技術を応用。信号経路と電源経路の設計を見直し、素子配置を最適化した。小型DFNパッケージも用意する。
入力換算雑音電圧(ノイズ特性)は8.0nV毎ルートヘルツ、利得帯域幅積11MHz、全高調波歪率0.0004%、スルーレートは25V/μs、入力バイアス電流は5pA。開発に当たり音楽のニュアンスや空気感、静寂の表現などを重視した同社のアナログ技術を採用。聴感評価を重ねたという。
パッケージは3.9×5×1.65mmの「EMP-8-AN」に加え、4×3.5×0.75mmの「DFN4035-8-GR」もそろえた。DFNパッケージは機器の小型化や設計の自由度向上に資し、放熱性能に優れ高出力時に安定した動作を維持すると打ち出す。いずれも想定用途はオーディオ用プリアンプ、リファレンスアンプ、アクティブフィルター、ラインアンプ。低雑音、低歪、高スルーレートに加えJFET入力の特徴である低入力バイアス電流特性により、I/V変換アンプにも向くとしている。両パッケージとも月産規模10万個を想定する。